SAMURAI - NIMS Researchers Database

HOME > プロフィール > 木村 勇次

研究内容

Keywords

金属物性 構造・機能材料 材料加工・処理

所属学会

日本鉄鋼協会, 日本機械学会, 日本熱処理技術協会

受賞履歴

  • 2021 outstanding reviewer award for Acta Materialia (2022)
  • 日本鋼構造協会論文賞 (2021)
  • 日本鉄鋼協会学術貢献賞(三島賞) (2020)
  • 日本機械学会賞(論文) (2019)
  • 日本熱処理技術協会技術賞(粉生賞) (2018)
  • 日本機械学会賞(論文) (2015)
  • 日本鉄鋼協会学術記念賞(西山記念賞) (2013)
  • 第2回ドイツ・イノベーションアワード1等賞 (2010)
  • 第4回物質・材料研究機構理事長賞研究奨励賞 (2009)
  • 日本鉄鋼協会澤村論文賞 (2000)
構造材料研究センター
タイトル

加工熱処理による超高強度鋼の創製

キーワード

低合金鋼,加工熱処理,強度,靭性,水素脆化

概要

輸送機のさらなる軽量化や次世代の新鋼構造物の実現を目指して、リサイクル性に優れた単純低合金組成で引張強さが1500MPaを超える超高強度鋼の実現が期待されている。これまでに、「部材の一部が破壊・破損しても所定の荷重以下であれば部材そのものは完全に破断しない」というフェールセーフ機能を有する超高強度低合金鋼(フェールセーフ鋼)を開発してきた。本研究では、フェールセーフ鋼の組織制御技術を基盤として、超高強度鋼の更なる進化を目指す。とくに超高強度鋼の社会実装でボルトネックとなっている遅れ破壊の発生機構を解明するとともに耐遅れ破壊特性に優れた超高強度鋼の組織制御技術を確立する。

新規性・独創性

NIMSで培った超微細結晶粒鋼の組織制御技術を応用してフェールセーフ鋼を開発
フェールセーフ鋼で鉄鋼材料の強度×靭性バランスをブレークスルー
超高強度フェールセーフ鋼の優れた耐水素脆化特性を確認
実機製造設備で超高強度フェールセーフ鋼のボルトへの温間鍛造法を開発
超高強度フェールセーフボルト締付け体の長期大気暴露実験で耐遅れ破壊特性を検証

内容

image

超高強度鋼のマルテンサイト組織が、元来、微細な結晶粒組織であることに着目し,焼戻マルテンサイト鋼を500℃~700℃付近で溝ロール圧延するという温間加工プロセスを開発して超微細繊維状結晶粒組織を有するフェールセーフ鋼を実現させた。フェールセーフ鋼は、ナノからミクロのスケールでヘテロ構造制御された超微細結晶粒組織の異方性を活用することで既存の超高強度鋼よりもはるかに優れた力学特性を示すことを見出した。さらにフェールセーフ鋼の温間鍛造プロセスを開発して超高強度フェールセーフボルトを創製にも成功した。今後、フェールセーフ鋼およびボルト開発で蓄積されたノウハウやデータベースを活用することで、フェールセーフ鋼を超える超高強度鋼の実現が期待できる。

まとめ

超微細繊維状結晶粒組織を有するフェールセーフ鋼は、2000MPaまでの引張強度レベルで既存鋼よりもはるかに優れた耐衝撃特性、耐遅れ破壊特性を示す。今後は、フェールセーフ鋼の課題として見出された量産化や大型化プロセスを確立してゆくと同時に、実験と計算科学との融合によりフェールセーフ鋼を超える超高強度低合金鋼の探索、創製プロセスならびに材料設計の構築を進める。

この機能は所内限定です。
この機能は所内限定です。

▲ページトップへ移動