- Address
- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
Polymer electrolytes, PEMFCs, PEMWEs, Ion conductiong composite materials, Membranes
@ Synthesis and characterization of proton conducting electrolytes (polymer and solid) membranes for PEM Fuel Cells and water electrolysis. @ Fabrication and characterization of MEA and single cell. @ Composite materials for ionics. @ Environmentally friendly membrane materials.
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
公開特許出願
- 無水・高温下に作動可能なプロトン導電性燃料電池用膜、及びその製造方法 (2007)
- 有機-無機ハイブリッド高分子組成物とその膜の製造方法 (2007)
- ペロブスカイト薄膜及びその製造方法 (2008)
所属学会
高分子学会, その他
電子・光機能材料研究センター
環境配慮型代替ポリマー電解質材料開発
非フッ素系ポリマー,エンジニアリングプラスチック,イオン伝導体,複合体,燃料電池,水電解
概要
気候変動は世界規模で2050年カーボンニュートラル実現に向けた安定的なエネルギー供給による社会システムの構築を求めている。CO2を排出しない太陽光、風力、バイオマス等の再生エネルギーを利活用する多様な技術開発が行われる中、水素は化石燃料を代替する新エネルギーパラダイムを導くと予想される。水電解や燃料電池等に用いられているフッ素系ポリマー伝導体の代替材料は必須であり、非フッ素系伝導体材料として炭化水素系PPSU電解質の高機能化について研究を行っている。
新規性・独創性
● スルホン化濃度の高度化
● スルホン架橋によるポリマー化
● ナノ複合化による伝導パスの高度化
● ナノ複合化による化学的安定性の高度化
内容
炭化水素系ポリマーであるエンジニアリングプラスチックは高い化学的・熱的安定性により多様な分野で利用されている。その中でポリフェニルスルホン(PPSU: polyphenylsulfone)を用いた機能性電解質材料の開発を行っている。PPSUは高イオン伝導性を付与できるスルホン基導入サイトが多く、高スルホン基導入による高プロトン伝導体の創生が期待できる。また、イモゴライトやナノシリカやカーボンナノドットのようなナノ粒子の利用は保湿性が高く、ポリマー電解質に導入された場合、高温低加湿環境下でも電解質の高伝導度を維持させることができる。更に、炭化水素系電解質の化学的安定性を飛躍的に向上させると期待している。合成プロセスにより電解質材料を作製し、製膜プロセス工程により膜化し、伝導度などの物性評価を行い、デバイスとして燃料電池や水電解等のシステム評価により電解質材料特性の高度化を図る。
まとめ
カーボンニュートラル実現には多様な分野でのブレイクスルー技術開発が求められている。その中で、現在、水電解や燃料電池等で使われている、フッ素系電解質材料の代替材料として炭化水素系電解質の開発は将来の水素社会を担う革新的材料開発に大きく貢献できると期待される。