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NIMS一般公開2024

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研究内容

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

論文
書籍
口頭発表

所属学会

日本化学会, 触媒学会, 日本粘土学会, 日本ゼオライト学会

ナノアーキテクトニクス材料研究センター
タイトル

アクア鉄を用いた新材料開発

キーワード

化粧品,サンスクリーン,光触媒,顔料

概要

鉄鋼や磁石、触媒、食品用顔料などとして工業的に幅広く使われている鉄色や黒色、赤色を呈する鉄や酸化鉄(以下、酸化鉄)を、「白色で、無色透明にもなる酸化鉄」に変えられれば、その資源としての豊富さ、低コストも相まって、革新的材料の創製につながる。そのキー物質と考えられるアクア鉄オリゴマーは、環境中や微生物中の酸化鉄形成の中間体とも考えれており、材料も含め各分野で重要性が認識されているにも関わらず、極めて不安定な性質から、安定化と構造設計技術が確立されていなかった。そんな中、井出は、2核のアクア鉄を粘土鉱物等を用いて安定化することに成功したのを端に、より多核のアクア鉄オリゴマーの設計、および、サンスクリーン等への応用を探求している。

新規性・独創性

未踏の鉄物質を既存の安全な素材で安定化
酸化鉄と違って白く、酸化チタンと違って溶液中で無色透明
未知の破格の機能

内容

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粘土鉱物やゼオライト等の多孔質シリカのミクロ細孔での鋳型合成、あるいは、多孔質シリカの細孔表面を足場としたエッチング(図参照)により、未踏の多核アクア鉄オリゴマーの設計に取り組んでいる。類似の鉄オリゴマーは、メタン酸化酵素(図参照)や金属ー有機構造体(MOF)等の物質・材料中にも見られるが、有機リンカーによって安定化されているため、水やOH基が連結した無色の(UVを吸収する)アクア鉄オリゴマーとは異なり、赤色等に着色しているので、機能や材料としての用途が全く異なる。
我々の開発している多核アクア鉄オリゴマーは、マトリックスの種類によって用途が異なる。粘土鉱物等のミクロ構造中に埋め込めば、元々有している高い光触媒活性が抑制されるので、UV吸収材、即ち、サンスクリーンとして応用可能である。既に、2核アクア鉄をオイルに分散させて作成したペーストが、白濁する酸化チタンペーストとは対照的に透明で、かつ、サンスクリーンとして安定に機能することを見出している。一方、より細孔の大きなメソポーラスシリカ等の表面に固定・安定化された場合は、光触媒として応用でき、これも、2核アクア鉄が酸化チタンに比べ最大で6倍高い光触媒活性を示すことを報告した。現在、3核以上のオリゴマーの合成に取り組んでおり、2核アクア鉄より更に破格の機能を示すことも分かってきている。材料の社会実装、用途拡大を目指している。

まとめ

独自手法により多孔質シリカ中で安定化させた2核アクア鉄が、サンスクリーンや光触媒として応用できそうなことが分かってきた。白い(UVを吸収する)だけでなく、オイル等媒体中では透明にもなる性質を利用すれば、より多様な用途が見込める。3核以上の未踏のアクア鉄オリゴマーの設計による性能向上に加え、安全性の評価が、材料の社会実装に向けた課題と認識している。

この機能は所内限定です。
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