- Address
- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
外部併任先
研究内容
- Keywords
高分子ナノ薄膜、カーボン膜、ナノファイバー、多孔性材料
今後の環境・エネルギー分野で利用される高性能水処理膜、有機溶媒耐性フィルター、吸着材料などを研究しています。
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- Edhuan Ismail, Saidatul Sophia Sha’arani, Shota Azuma, Tetsuo Uchikoshi, Izumi Ichinose. Video Processing Electrophoretic Measurements under High Electric Fields for Sub-millimeter Particles in Oil. Journal of Oleo Science. 71 [3] (2022) ess21367 10.5650/jos.ess21367 Open Access
- 一ノ瀬 泉. 資源開発と温暖化. Kobunshi (High Polymer, Japan). (2019) 211-214
- 一ノ瀬 泉. 汎用高分子の伸び代. Kobunshi. 71 [7] (2022) 326
書籍
- 一ノ瀬 泉. カーボンナノシートによるガスや液体の高速分離. 二次元物質の科学 グラフェンなどの分子シートが生み出す新世界. , 2017, 165-171.
- 一ノ瀬 泉. DLCのフィルターへの応用. DLCの基礎と応用展開. , 2016, 216-222.
- 一ノ瀬 泉. 無機ナノストランド. ファイバー スーパーバイオミメティクス. , 2006, 1020-1024.
会議録
- ICHINOSE, Izumi. Discovery of Metal Hydroxide Nanostrands and their Applications. SIS2008 Proceedings. (2008) 68
- ICHINOSE, Izumi. Discovery of Metal Hydroxide Nanostrands and the Applications for Bio-Separation. data on the 5th international symposium on bioscience and nanotechnology. (2007) 22
- ICHINOSE, Izumi. Discovery of Novel Nanofibers and their Applications in Medical, Environmental, and Energy Fields. Japan Nano 2011. (2011) 18-19
口頭発表
- 一ノ瀬 泉. PDMS吸着材による液状CO2の低コスト回収. CO2分離回収/DACに関する要素技術/研究開発動向. 2023 招待講演
- BIN ISMAIL, Edhuan, INOUE, Mizuki, TABATA, Takuya, ICHINOSE, Izumi. Thermal and Kinetic Analyses of CO2 Sorption by PDMS Rubbers at Low Temperatures. MRM2023. 2023
- ICHINOSE, Izumi. Industrial Recovery of Greenhouse Gases using PDMS Rubber Particles. MRM2023. 2023
その他の文献
- 一ノ瀬 泉. DLCのフィルターへの応用. DLCの基礎と応用展開. 1 [1] (2016) 216-222
- 佐光 貞樹, 藤井 義久, 一ノ瀬 泉. エンプラのナノ多孔化技術とオイル吸着材への展開. 日本プラスチック工業連盟誌 プラスチックス. 65 [5] (2014) 68-72
- 佐光 貞樹, 藤井 義久, 一ノ瀬 泉. エンジニアリングプラスチックのメソ多孔体. 月刊 MATERIALSTAGE. 13 [12] (2014) 67-70
所属学会
高分子学会, 日本化学会, 日本膜学会
受賞履歴
- 高分子学会Wiley賞(2010) ()
高分子・バイオ材料研究センター
低コスト CO2回収システムの開発
CO2吸着材,エラストマー,深冷分離,天然ガス開発,バイオガス製造
概要
経済的に利用可能な低コストCO2回収技術は、脱炭素社会の実現のために必須となる。輸送や圧入を考えると液状CO2として回収する必要があり、コストは3,000円/t-CO2以下が望ましい。天然ガスやバイオガスの生産では、高濃度CO2を含むCH4/CO2混合ガスからCO2を分離する必要があり、一層の高効率化が求められている。我々は、低温でCO2を吸脱着する高分子エラストマーを用いて、従来にない高効率CO2回収システムを開発している。
新規性・独創性
● 低温高圧下での800mg/g程度の大きなCO2吸着量
● 10kJ/mol以下の弱い吸着エネルギー
● 低温高圧下でCO2を吸脱着
● 簡易深冷法と組み合わせた液状CO2の回収
● CH4ロスがないグリーンなCO2分離回収技術
内容
高濃度のCO2を含有する天然ガス田では、ガス中のCO2濃度が30-70%に達する。CO2は高圧下で冷却すると容易に液化するが、-40℃での蒸気圧が1MPaもある。即ち、10MPa(100気圧)に加圧しても、濃度は10%以下にならない。我々は、簡易深冷装置の後段にCO2吸着塔を組み合わせることで、混合ガス中のほぼ全てのCO2を回収することに成功した。この吸着塔は、低温高圧で運転されるが、パウダー状のPDMSソフトエラストマーは、このような環境下での吸脱着に適しており、優れた耐久性も有する。吸着したCO2は、CH4と一緒にコンプレッサーで簡易深冷装置に戻される。この循環システムでは、CH4のロスがなく、吸着材の再生エネルギーが少なく、システム全体でのGHG発生量が小さい。即ち、グリーンなCO2分離回収技術となる。また、CO2が液体として回収されるため、輸送や地下への圧入が容易となる。
まとめ
パウダー状のソフトPDMSエラストマーは、低温高圧でのCO2吸脱着速度が大きく、吸着量も多い。この特性をCO2液化技術と組み合わせることで、優れたCO2回収システムが構築できた。今後は、回収システムを大規模化し、バイオガスや天然ガスの生産に活用したい。