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廣崎 尚登
Address
305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]

研究内容

Keywords

白色LED、液晶バックライト、固体照明

所属学会

応用物理学会, 日本セラミックス協会, 蛍光体同学会

電子・光機能材料研究センター
タイトル

サイアロン蛍光体の材料探索とLEDへの応用

キーワード

蛍光体,窒化物,新物質創製,LED

概要

白色LEDは青色LEDチップと蛍光体から構成され、LEDが発する青色光と蛍光体が発するその他の色の光が混合することにより白色光となる。この様に、白色LEDの発光色は青と蛍光体の色で構成されており、白色LEDの色の品質を決めているのは蛍光体である。本研究では、様々な用途のLEDに適した新規蛍光体を探索し、企業との共同開発により製品化につなげる仕事をしている。

新規性・独創性

蛍光体はセラミックスの母体結晶にEuなどの発光イオンを微量添加した材料であり、母体結晶の種類が変わると発光特性や耐久性が変わるため、用途に合った新しい母体結晶を見つけることが求められている。企業で実用化するためには、他社の特許に抵触しない独自特許で守られた新規の材料を見つけることが重要であり、高性能な未知材料の探索に力を入れている。

内容

image

図はNIMSが発見し実用化に成功した材料を示している。αサイアロンは従来は耐熱材料として研究されてきたセラミックスである。これにEuを添加すると青色を吸収して黄色発光する蛍光体が得られる。βサイアロンも耐熱材料として有名な材料である、これにEuを添加すると青色を吸収して緑色発光する蛍光体が得られる。この蛍光体の発光はシャープなスペクトルであることから色純度が求められるディスプレイ用蛍光体として実用化されている。さらに、CaAlSiN3セラミックスにEuを添加すると青色を吸収して赤色発光する蛍光体が得られる。この材料を従来の白色LEDに添加すると赤み成分に富む暖かい光となるため、屋内照明用途に向いている。下右図に示すように、これらの蛍光体材料は青色LEDと組み合わせることにより、青色LEDが発する青色光の一部を緑、黄色、赤色に変換することができるため、様々な用途に適した白色LEDのスペクトルを設計できる。
LEDは一般照明、ディスプレイの現行製品の次として、自動車ヘッドライト、農業生体計測等の用途があり、それによって求められる特性も異なる。これらのニーズに応えるため、可視光域の発光の他に、紫外域や赤外発光の蛍光体の物質探索および実用化開発を行っている。

まとめ

白色LEDは蛍光体を変えることによって、紫外域から赤外域までの発光スペクトルを設計することができる。新材料開発を通じて、新たなデバイスの実現に向けて今後も精力的な開発を実施する。

この機能は所内限定です。
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