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- 305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 [アクセス]
学生受け入れ中
研究内容
- Keywords
腐食防食,表面改質,生体用金属材料,マグネシウム,アルミニウム, 生体内模擬環境
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
所属学会
日本金属学会, 腐食防食学会, 日本バイオマテリアル学会
受賞履歴
- 第43回スガウェザリング財団表彰 科学技術功労賞 (2025)
- 腐食防食学会 学術功労賞 (2025)
- 日本金属学会 功績賞 (2016)
- 第26回日韓国際セラミックスセミナー若手奨励賞 (2010)
- 日本溶射協会 論文賞 (2009)
- 腐食防食協会 進歩賞 (2009)
- 腐食防食協会 優秀講演賞 (2005)
- 日本金属学会 奨励賞 (2002)
構造材料研究センター
金属の腐食を適切にコントロール!暮らしや医療を支える表面コーティング
マグネシウム合金,アルミニウム合金,水酸/炭酸アパタイト,層状複水酸化物,耐食被膜,自己修復被膜,水素脆性
概要
MgおよびAl合金は自動車等のための軽量構造材料として、またMg合金は生体吸収性の骨折固定材や血管拡張ステント等のための生体内溶解性金属材料として注目されている。一方、これらの合金の使用には腐食を制御する被膜が不可欠である。我々は、使用環境や腐食・水素脆化挙動の理解に基づいた耐食被膜の開発を行っている。軽量化材料としてのMgおよびAl合金には、腐食インヒビターを担持した層状複水酸化物(LDH)被膜を開発している。インヒビター担持により、被膜には自己修復性が期待される。生体用Mg合金には、骨伝導性と破骨細胞による吸収性を示す炭酸アパタイト(CAp)被膜の開発を行っている。
新規性・独創性
LDH被覆には電気泳動共析出(電着)法を用い、インヒビターを担持したLDHの短時間処理での被覆を目指している。LDHを合金に被覆後にインヒビターを担持する従来法に対する本方法の特長は、インヒビターの選択肢および被覆対象合金の範囲を拡大できることである。Mg合金へのCAp被覆法は一段階の水溶液浸漬法であり、従来のバイオミメティック法に対してCApの炭酸含有量を広範囲で調整できる特長がある。CApは骨置換性の生体吸収性材料として近年着目されており、生体用金属材料表面への被覆方法の確立が求められている。CApをMg等の生体内溶解性金属材料に被覆すると、基材Mg合金と被膜の両方ともが生体に吸収されて消失する画期的な生体吸収性材料を実現することができる。
内容

自動車などの軽量化のため、車体構造には従来の鉄鋼材料に加え、Al合金やMg合金等の異種材料を組み合わせたマルチマテリアル構造が広く採用されるようになっている。これに伴い、マルチマテリアル構造の車体を一体的に耐食処理する技術の確立が求められている。
層状複水酸化物(LDH)は、金属の腐食インヒビターを層間に担持し、外部の塩化物イオンや炭酸イオンとの交換でインヒビターを放出することが期待されるため、耐食被膜材料として注目されている。しかし、LDHの被覆方法やインヒビターの担持方法は確立されておらず、さらに腐食環境下でイオン交換によるインヒビター放出が生じるか否かは明らかにされていない。
そこで我々は、腐食インヒビターを担持したLDHを調製し、電気泳動共析出(電着)法により金属表面に被覆する技術の開発を行っている。本方法は、LDH被覆後にイオン交換でインヒビターを担持する従来法に比べ、インヒビターの種類を選ばず、またマルチマテリアル構造表面に被覆できることが期待される。これまでに、Mg合金表面にインヒビターを担持したLDH被膜を形成すると、インヒビター無担持のLDH被膜よりも高い耐食性を示すことを明らかにした。また、硝酸型LDHを被覆したAl合金の腐食試験前後のラマン分光測定により、腐食環境下でLDHに担持したアニオンがイオン交換を起こすことを初めて明らかにした。

Mg合金は患部の治癒に伴い溶解・吸収される生体内溶解性金属材料として期待され、骨折固定用プレート&ネジや血管拡張用ステントへの応用が検討されている。一方、Mg合金は生体埋入初期に急激な腐食を示し、強度低下やガスだまり形成により患部の治癒に影響を及ぼす課題がある。そこで、初期腐食の抑制と周囲の骨との結合促進のため、骨の主成分と類似の組成である水酸/炭酸アパタイト(HAp/CAp)被膜の開発を行っている。HApは生体内で長時間安定であるのに対し、CApは破骨細胞に吸収され徐々に骨に置換する特徴がある。これまでに、HAp/CAp被覆Mg合金の動物の骨への埋入試験を行い、被覆によりMg合金の腐食が抑制され、骨との接合が促進されることを明らかにした。CAp被膜では、骨内で被膜が徐々に吸収されていく様子が観察された。さらにCAp被膜の耐食性および骨吸収性は、炭酸含有量に依存することを明らかにした。
まとめ
● 電気泳動共析出(電着)法により、MgおよびAl合金にLDHを被覆した。
● LDHへのインヒビター担持により被膜の耐食性が向上した。
● 腐食環境下でLDH層間イオンが外部の炭酸イオンや塩化物イオンと交換することを明らかにした。
● 生体用Mg合金のための生体吸収性被膜としてCAp被膜を開発し、動物埋入試験においてCAp被膜は骨内に吸収されていく可能性示した。
● CAp被膜の耐食性および骨吸収性は炭酸含有量に依存することを明らかにした。

