SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    エネルギー・環境材料研究センター
    タイトル

    ヘリウム3を使わない極低温冷凍機/熱スイッチの開発

    キーワード

    磁気冷凍,熱スイッチ

    概要

    極低温(1K以下)を生み出す代表的な冷凍技術に、希釈冷凍機と断熱消磁冷凍機(ADR)がある。希釈冷凍機は³He/⁴He混合冷媒を循環させることで連続的な冷却を実現するが、大量のヘリウム3(³He)を必要とする。ヘリウム3は供給が限られた希少資源であり、その大量消費は装置コストや持続的な運用の面で課題となっている。
    一方、ADRは磁性体の磁気熱量効果を利用して冷却する方式であり、冷熱の発生にヘリウム3を必用としない。ただし、ADRの心臓部にあたる熱スイッチには、従来ヘリウム3ガスギャップ式が広く用いられており、わずかとはいえヘリウム3を必用とする点が残されていた。
    本研究は、このヘリウム3ガスギャップ式熱スイッチの代替として、高純度金属の磁気熱抵抗に着目する。金属中のどの不純物元素を、どの濃度で加えれば磁気熱抵抗を高められるかを実験的に解明することで、ヘリウム3フリー熱スイッチを開発する。

    新規性・独創性

    ・ヘリウム3を使わない極低温冷凍機(ADR)を実現する
    ・高純度金属の磁気抵抗(磁気熱抵抗)に着目し、熱スイッチ材料として活用する
    ・不純物元素の「種類」と「濃度」が磁気抵抗に及ぼす影響を定量的に評価する

    内容

    image

    本研究ではまず、複数純度・複数ロットの高純度金属試料についてGD-MSにより不純物元素プロファイルを取得する。並行して、各試料の残留抵抗率比(RRR)・磁場依存抵抗率・スイッチング比を精密に定量する。
    得られた不純物プロファイルとスイッチング比のデータを系統的に比較・分析することで、磁気熱抵抗を支配する不純物元素とその濃度域を抽出する。これにより、「どの元素を、どの濃度域で、どのような機構により導入すべきか」という具体的な材料設計指針を導き出す。

    まとめ

    ・希釈冷凍機は大量のヘリウム3を必要とするが、ADRは冷熱の発生にヘリウム3を必要としない冷凍技術である。ただし熱スイッチには従来ヘリウム3ガスギャップ式が用いられ、わずかながらヘリウム3を消費してきた。
    ・本研究は、このヘリウム3ガスギャップ式熱スイッチの代替として高純度金属の磁気熱抵抗に着目し、不純物元素の「種類」と「濃度」が磁気熱抵抗に及ぼす影響を定量的に評価するという新しい視点を提示する。
    ・GD-MSによる不純物プロファイルの取得と磁場中電気抵抗測定を組み合わせることで、磁気熱抵抗を支配する不純物元素とその濃度域を系統的に抽出する体制を整えている。
    ・今後は複数の不純物元素種について評価を進め、既存のヘリウム3ガスギャップ式に代わる材料設計指針を確立し、完全にヘリウム3を使わない極低温冷凍機・熱スイッチの実現を目指す。

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