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研究内容
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- Masayuki Murata, Takamasa Hirai, Takeshi Seki, Ken-ichi Uchida. Zero-magnetic-field operation of ordinary-Nernst-effect-based transverse thermoelectric module using embedded permanent magnets. Applied Physics Letters. 124 [19] (2024) 193901 10.1063/5.0202818 Open Access
- Fuyuki Ando, Takamasa Hirai, Ken-ichi Uchida. Permanent-magnet-based transverse thermoelectric generator with high fill factor driven by anomalous Nernst effect. APL Energy. 2 [1] (2024) 016103 10.1063/5.0180506 Open Access
- Takumi Yamazaki, Takamasa Hirai, Takashi Yagi, Yuichiro Yamashita, Ken-ichi Uchida, Takeshi Seki, Koki Takanashi. Quantitative measurement of figure of merit for transverse thermoelectric conversion in Fe/Pt metallic multilayers. Physical Review Applied. 21 [2] (2024) 024039 10.1103/physrevapplied.21.024039 Open Access
口頭発表
- MAKINO, Fuya, HIRAI, Takamasa, 志賀 拓麿, SUTO, Hirofumi, 藤久 裕司, 大柳 洸一, 小林 悟, SASAKI, Taisuke, 八木 貴志, UCHIDA, Kenichi, SAKURABA, Yuya. Enhancement of thermal conductivity change induced by magneto-thermal resistance effect in CoFe/Cu magnetic multilayers. The IEEE Around-the-Clock Around-the-Globe Magnetics Conference . 2024
- 牧野 楓也, 平井 孝昌, 志賀拓麿, 首藤 浩文, 藤久裕司, 大柳洸一, 小林悟, 佐々木 泰祐, 八木貴志, 内田 健一, 桜庭 裕弥. CoFe/Cu多層膜の磁気熱抵抗効果による巨大熱伝導率変化. 日本磁気学会学術講演会. 2024
- IMAMURA, Takumi, HIRAI, Takamasa, UCHIDA, Kenichi. Low-temperature measurements of the anomalous Ettingshausen effect using lock-in thermography. 第85回応用物理学会秋季学術講演会 . 2024
所属学会
応用物理学会, 日本磁気学会
磁性・スピントロニクス材料研究センター
外場によるアクティブな熱エネルギー制御機能・原理の創出
スピンカロリトロニクス,熱マネジメント,熱電・熱スピン変換,熱量効果,ナノスケール熱伝導
概要
現代のエレクトロニクス社会では、IT関連機器の小型化・高性能化・多様化が目覚ましい速度で進行している一方で、発熱によるエネルギーロスや電子機器の信頼性低下など“熱”が引き起こす問題も増加している。このような問題に対処すべく、熱エネルギーを高度に制御・利用するための熱マネジメント技術の発展が必要不可欠になっている。これまでにも様々な“熱”に関する物理現象の報告や優れた熱特性を有する物質の調査が成されてきたが、本研究が目指す先は、磁場や電場などの外場を用いて、一度作製した物質の熱特性を後天的かつ能動的に制御・変調することで、これまで得られなかった新たな熱エネルギー制御機能を創出することにある。
新規性・独創性
● 外場を用いた能動的熱エネルギー制御原理・機能の実証
● 従来の熱工学やスピントロニクスにはない機能の実現
● スケーラブルな制御手法
● 日常生活に広く普及している物質に新たな物性とその制御機能を付与
内容
電気-磁気-熱の相互作用を広く取り扱うスピンカロリトロニクスにおいて、磁場のみならず電場・力学的ひずみ・光などの外場を積極的に導入し、後天的・能動的・可逆的な熱エネルギー制御を実現することを基盤として研究に取り組んでいる。主に、磁性体中に存在するスピン自由度と外場の相互作用を利用して、熱電効果によって生成される熱流のアクティブなON-OFFスイッチングや冷却-加熱スイッチング[熱エネルギー変換制御]、ナノスケールの固体内部の熱伝導スイッチングなどの実証[熱エネルギー輸送制御]に取り組んでいる。また、近年では、磁性体やスピントロニクス物質の枠組みを超えた物質群を用いた外場誘起熱エネルギー制御の実証も目指しており、ビニール袋などにも用いられる身近なプラスチックに日本の伝統工芸“切り紙”加工を施し、力学的に引っ張ることで、現時点で最高の弾性熱量物質である形状記憶合金の4倍以上の局所加熱/冷却能が得られることを実証した[熱エネルギー生成制御]。いずれの成果も、用いた物質は鉄やニッケルなどの磁性体やプラスチックなど日常生活にも広く普及しているものであるが、熱エネルギー制御用途としては全く注目されていなかった。本成果を支えるアイデア:外場を基軸とした物質エンジニアリングによって、すでにその機能性が調べつくされていたと考えられていた物質においても、熱ないしその他物性にも新たな制御機能の創出が期待できる。
まとめ
● 磁場/電場/ひずみなどの外場を用いた能動的・可逆的な熱変換・生成・輸送制御機能の実証
● 微細素子に対する熱マネジメント基盤技術展開へ期待
● 本成果で見出した機能の実デバイス搭載結実化が今後の課題