SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

所属学会

日本鉄鋼協会, 日本金属学会, 日本材料学会

構造材料研究センター
タイトル

レーザー粉末床溶融結合法による耐熱鋼の組織制御

キーワード

耐熱鋼,改良9Cr-1Mo鋼,三次元積層造形,電子顕微鏡,電子線後方散乱回折法,長時間クリープ

概要

構造材料分野では、三次元積層造形(AM)による複雑形状部材の製造や組織制御が大きな注目を集めている。これまで、代表的なAM手法であるレーザー粉末床溶融結合法(LPBF)を用いて、フェライト耐熱鋼(改良9Cr-1Mo鋼)の組織制御を行ってきた。LPBFの特徴である超急冷凝固により、同鋼の通常製法材のマルテンサイトより組織安定性の高いフェライト相が得られることが分かっており、長時間クリープ強度の向上が期待される。また、熱処理によって積層方向への集合組織を解消できることを見出している。現在は、AM材の規格化・実用化を見据えた長時間クリープデータの取得を進めている。

新規性・独創性

LPBFの超急冷凝固により相変態を抑制することで安定なフェライト相を得る組織制御手法。
熱処理による相変態を活用することでAM材の組織の異方性を解消する組織制御手法。
AM材の長時間クリープ強度特性評価。

内容

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LPBFにより改良9Cr-1Mo鋼を作製した。同鋼の通常製法材はマルテンサイト単相となるが、LPBFの特徴である超急冷(冷却速度~106 K/s)により、通常のプロセスでは得られないフェライト相が生成する。一方で、フェライト相は同鋼の室温~850℃程度における平衡相であり、マルテンサイトより組織安定性が高いと考えられる。したがって、LPBFにより組織制御した改良9Cr-1Mo鋼は、優れた長時間クリープ強度を有すると期待される。レーザーにより溶融した部分の近傍(熱影響部)にはマルテンサイトが生成するものの、造形条件によりマルテンサイトの体積率を制御できる。フェライト+マルテンサイトの二相組織を有する造形まま材に対して焼ならしを行うと、オーステナイトへの相変態に伴い組織の異方性が解消され、通常製法材と同じマルテンサイト単相組織が得られる。この熱処理プロセスによる組織制御手法は、通常製法材相当の組織と信頼性を有する複雑形状部材の製造技術へと展開可能である。現在、これらのAM材の長時間クリープ試験を実施している。得られたデータをNIMSクリープデータシートのデータと比較することで、AM材の長期信頼性を評価し、規格化・実用化に貢献する。

まとめ

LPBFによる超急冷や熱処理プロセスにより相変態を制御することで、フェライト耐熱鋼の組織を作り込むことができる。
超急冷により得られるフェライト相によりフェライト耐熱鋼の長時間クリープ強度の向上が期待される。
AM材の高温部材への適用に向けた長時間クリープデータの取得を進めている。

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