SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

ナノ構造材料 電子顕微鏡

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      日本顕微鏡学会, 応用物理学会

      マテリアル基盤研究センター
      タイトル

      試料ホルダーを用いたその場TEM観察

      キーワード

      透過型電子顕微鏡,その場観察,触媒

      概要

      透過型電子顕微鏡(TEM)は原子レベルで材料の構造や挙動を観察・分析できる観察手法である。しかし、TEMの観察環境(真空、室温)は、材料の実働環境とは乖離しているため、その場TEM観察技術が必要である。例えば、環境・エネルギー問題の解決策としても注目される触媒は、ガス雰囲気、高温下で使用されることが多い。そこで、触媒材料のその場観察への応用に向けて、TEM試料ホルダーを用いたその場観察システムを開発した。試料ホルダーはTEM本体とは独立しているため、対象に合わせたカスタマイズや改良が容易である。本システムとTEMの観察・分析手法の併用により、触媒を多角的に観察・計測することを目指す。

      新規性・独創性

      差動排気機構をTEM試料ホルダーに搭載
      試料ホルダーを利用するので、既存のTEMを使用可
      隔膜がないので、電子エネルギー損失分光(EELS)やホログラフィーに有利

      内容

      image

      開発した触媒観察用その場TEM試料ホルダーは、20Paのガス雰囲気で、1000℃までの試料を加熱しながら観察ができる。また、TEMや走査TEM(STEM)観察、電子線回折法だけでなく、EELSやホログラフィーによる分析・解析も行える。これを用いて、触媒を観察した。例えば、NIMSで開発した二相(Ni触媒とY2O3担体)がひも状に絡み合う「根留触媒」Ni#Y2O3は、メタン転換を長時間持続させる触媒である。その要因を調べるために、その場STEM観察・EELS分析を行った。通常のNi触媒粒子と異なり、反応中も根留触媒は構造的にも、化学的にも安定なことが判明し、長時間反応が持続する要因を明らかにした。

      まとめ

      ガス雰囲気下で、加熱しながら試料を観察できるその場TEM観察システムを開発した。触媒材料の観察に向けたものであるが、金属、セラミックス材料の観察にも応用できると考える。ガス中の加熱だけでなく、ガス中の電気測定、観察中のガス種の交換等への展開も可能で、今後、応用範囲を拡大していきたい。

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