- Address
- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
有機/無機複合体、熱可塑性、層状化合物
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- Dorra Mahdaoui, Chika Hirata, Kahori Nagaoka, Kun’ichi Miyazawa, Kazuko Fujii, Toshihiro Ando, Manef Abderrabba, Osamu Ito, Shinjiro Yagyu, Yubin Liu, Yoshiyuki Nakajima, Kazuhito Tsukagoshi, Takatsugu Wakahara. Ambipolar to Unipolar Conversion in C70/Ferrocene Nanosheet Field-Effect Transistors. Nanomaterials. 13 [17] (2023) 2469 10.3390/nano13172469 Open Access
- Kazuko Fujii, Dines Chandra Santra, Manas Kumar Bera, Takatsugu Wakahara, Ritsuko Nagahata, Masayoshi Higuchi. Electrochromic Ru-Based Metallo-Supramolecular Polymer with a Layered Inorganic−Organic Hybrid Nanocomposite for Improved Electrochemical Properties. ACS Applied Polymer Materials. 5 [11] (2023) 8808-8821 10.1021/acsapm.3c00837
- Dorra Mahdaoui, Chika Hirata, Kahori Nagaoka, Kun'ichi Miyazawa, Kazuko Fujii, Toshihiro Ando, Yoshitaka Matsushita, Manef Abderrabba, Osamu Ito, Kazuhito Tsukagoshi, Takatsugu Wakahara. Nanoarchitectonics of C70 hexagonal nanosheets: Synthesis and charge transport properties. Diamond and Related Materials. 128 (2022) 109217 10.1016/j.diamond.2022.109217
書籍
- 藤井 和子, ヒル ジョナサン, 有賀 克彦. Chap. 2 Biomimetic Nanohybrids Based on Organosiloxane Units. Willey-VCH, Weinheim, 2007, 34.
- HASHIZUME, Hideo, Benny Theng, Sherry van der Gaast, FUJII, Kazuko. Formation of Nucleosides and Nucleotides in Chemical Evolution. Springer, 2019
口頭発表
- 若原 孝次, 松下 能孝, 藤井 和子, 伊藤 攻, 劉雨彬, 中島嘉之, 高木牧人, 島崎智実, 立川 仁典, 柳生 進二郎, 塚越 一仁. フラーレン/ポルフィリン低次元共結晶の構造と電荷輸送特性. 第34回基礎有機化学討論会. 2024
- WAKAHARA, Takatsugu, FUJII, Kazuko, MATSUSHITA, Yoshitaka, 宮澤 薫一, ITO, Osamu, 高木牧人, 島崎智実, 立川 仁典, YAGYU, Shinjiro, 劉雨彬, 中島嘉之, TSUKAGOSHI, Kazuhito. Fullerene/Porphyrin Cocrystal Nanoribbons. The 14th Japan-China Joint Symposium on Conduction and Photoconduction in Organic Solids and Related Phenomena. 2023
- FUJII, Kazuko, SANTRA, Dines Chandra, BERA, Manas Kumar, WAKAHARA, Takatsugu, 坂田 和彦, 長畑 律子, HIGUCHI, Masayoshi. Ru(II)-based Metallo-supramolecular Polymer/Layered Inorganic–organic Covalently Bonded Hybrid Composites for Improved Electrochromic Properties. IDW' 23. 2023
その他の文献
- 藤井 和子. 低次元無機-有機Monolithの創成と光機能性. 日本化学会研究会「低次元系光機能材料研究会」ニュースレター. (2018) 10-13
- 藤井 和子, 樋口 昌芳. 層状無機-有機共有結合体/メタロ超分子ポリマー複合体のエレクトロクロミック特性. セラミックス. 58 [6] (2023) 369-372
- 藤井 和子. 層状無機-有機複合高分子の可逆溶融. 機能材料. 37 [7] (2017) 61-66
公開特許出願
- 共有結合型層状ケイ酸塩/色素複合体とその製造方法 (2002)
- 熱可塑性層状アルキルシロキサンとその製造方法 (2004)
- 熱可塑性層状アルキルシロキサンとその製造方法 (2005)
所属学会
日本粘土学会, 日本化学会, 高分子学会
高分子・バイオ材料研究センター
新規機能性無機-有機ハイブリッドポリマーの創製
メタロ超分子ポリマー,無機-有機ハイブリッドポリマー,層状無機-有機複合体,エネルギー移動,環境応答
概要
機能性物質の実用化には固体材料が有利だと考えられる。本研究では、NIMSでこれまでに研究されてきたメタロ超分子ポリマー(MSP)や無機-有機複合化技術を活かし、MSPの機能の向上やエネルギー移動が起こる固体の創製を目指した。MSPを層状の無機-有機ハイブリッドポリマー(層状IOP)と複合化することでMSPの特性が向上した。また、層状IOPでは有機基が無機層に共有結合で強固に一体化している。この特徴を活かし、従来研究の課題であったデインターカレーションを克服しエネルギー移動が起こる固体材料の創製を達成した。有機基、無機層、有機/無機界面の構造や組成の設計・制御により多様な機能性材料の創製が期待される。
新規性・独創性
● メタロ超分子ポリマー(MSP)と層状無機-有機ハイブリッドポリマー(層状IOP)の複合化を比較的簡便な方法で達成
● 複合化によりMSPのエレクトロクロミック特性が向上
● 可逆溶融層状IOP、発光性層状IOP、湿度応答性層状IOPを開発
● 層状IOPの特異な構造を活かし、従来技術では困難であった異種色素共存系の構築を達成
● 本研究で創製した異種色素共存系ではエネルギー移動が起こる
内容
メタロ超分子ポリマーの複合化
メタロ超分子ポリマー(metallo-supramolecular polymer, MSP)では、金属イオンから有機配位子への電荷移動吸収(MLCT)が可視域に見られる.MLCTを金属イオンの電気化学的酸化還元により制御することでエレクトロクロミック(EC)特性が発現することは既にNIMSの樋口らにより見出されている(樋口Kurth, Chem. Rec., 2007)。 本研究では、MSPを層状の無機-有機ハイブリッドポリマー(IOP)と複合化した。複合化によりEC特性が向上した。今後は、新しいIOPを創製し、これをMSPと複合化することでさらなる機能の向上や新しい機能の発現を目指したい。
無機-有機ハイブリッドポリマーの創製
無機層と有機基が共有結合で一体化した化合物をここでは無機-有機ハイブリッドポリマー(IOP)と呼ぶ。本研究では、特に層状の無機-有機ハイブリッドポリマー(層状IOP)に注力する。 層状IOPは、前述のMSPとの複合化や層間のナノレベルの二次元空間に構築した異種色素共存系のエネルギー移動、可逆溶融層状化合物等に展開してきた。有機基が無機層に共有結合で強固に一体化しているため従来研究で課題であったデインターカレーション等を克服し異種色素共存系の構築が達成された。 今後は、組成や構造の制御に挑み、新しい無機-有機ハイブリッドポリマーを創製し、機能の多様化を目指す。
まとめ
● メタロ超分子ポリマーのEC特性の向上を達成した。また、光応答性等の機能を発現する層状無機-有機ハイブリッドポリマー(層状IOP)を創製した。
● 環境(温度・湿度・光・電圧・磁場)応答性の機能性固体材料や光反応が起こる固体材料、表示素子等への展開が期待される。
● 無機層、有機基及び無機/有機界面の組成・構造を設計・制御する技術をさらに開発し、様々な組成・構造を持つ層状IOPの創製を可能にし、ニーズに応える機能性固体材料の開発に展開していきたい。