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- 305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
薄膜・表面界面物性 電子・電気材料工学 金属物性 無機材料・物性
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
所属学会
日本MRS, 応用物理学会
エネルギー・環境材料研究センター
走査SQUID顕微鏡を利用した材料開発
超伝導,走査SQUD顕微鏡,非整数磁束量子
概要
走査SQUID(Superconducting Quantum Interference Device)顕微鏡(SSM)は高感度磁気センサーであるSQUIDを利用した走査プローブ顕微鏡である。磁気情報の可視化は極めて有効であることはもちろんであるが、SSMは感度が高く定量性が極めて良好である。SSMをはじめとした磁気イメージングを用いた材料開発と物性評価の現状を示す。本研究は、産業技術総合研究所、東京理科大学、高エネルギー加速器研究機構、金沢工業大学、仙台高専などの外部機関と共同で行っている。
新規性・独創性
● 走査SQUIDを用いた材料開発
● SQUIDの高い感度を活用した非整数磁束量子の直接観察
● 磁束量子の可視化によるダイナミクス
内容
走査SQUID顕微鏡は、プローブとして高感度磁気センサーであるSQUID(超伝導量子干渉素子)を用いたSPMで、上図の左側は走査SQUID顕微鏡の構成を示す。
Bi系超伝導体はc軸方向に電流を流すことにより固有ジョセフソン効果を発現するが、通常のc軸配向膜の場合、c軸方向に電流を流すためにはメサ構造とする必要があり、デバイス化や集積化には非常に不利である。一方、非c軸配向のBi系酸化物はデバイス化に適している。左図の右側はこれを模式的に表したものである。現状では高品質な非c軸配向膜の作製が課題であり、膜質の向上を進めている。この薄膜中における磁束の評価にはSSMを用いた可視化が強力な手段となる。(金沢工業大学と共同研究)
まとめ
● 走査SQUID顕微鏡は超伝導デバイスの研究開発に強力な武器
● 非整数磁束量子の直接観察に成功
● 磁束量子の可視化は他の手法と組み合わせることにより相補的に観測可能