The role of grain boundaries in suppressing particle fracture in Li-rich layered oxide cathode materials
NIMS著者
論文紹介
リチウム過剰層状酸化物は高い充放電容量と比較的高い作動電位を発現するため、次世代正極材料として注目されているが、充放電サイクル寿命の短さが実用化への課題となっている。短寿命の主な原因の一つは、充放電を繰り返した際の粒子破壊である。一般的に多結晶粒子は、粒界での応力集中により粒子破壊が促進されるために長寿命には不利とされている。しかし、本研究にて、リチウム過剰層状酸化物のモデル材料としてLi₂RuO₃を用い、粒子や結晶子の大きさ、粒界の有無による影響を詳細に調べることで、従来の常識に反する結果が得られた。すなわち、多結晶粒子であっても粒子と結晶子を共に小さくすることで、充放電反応時の粒界での応力集中が緩和されて粒界破壊を防ぐだけでなく、結晶子内での粒内破壊も抑制されることを明らかにした。この粒子破壊の抑制により、Li₂RuO₃の容量保持率は従来の67%から95%へと向上した。
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作成時刻: 2025-02-23 03:11:31 +0900 更新時刻: 2025-04-26 04:34:08 +0900