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研究内容

Keywords

磁性薄膜・多層膜、スピン軌道相互作用、磁気メモリ・センサー

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

書籍
会議録
その他の文献

所属学会

応用物理学会, 日本磁気学会, 日本物理学会

磁性・スピントロニクス材料研究センター
タイトル

磁気メモリ・センサ応用のための磁性体ヘテロ構造薄膜の開発

キーワード

磁性薄膜材料,スピントロニクス材料,磁気抵抗効果,ホール効果

概要

磁気メモリや磁気センサとして実用化されている強磁性トンネル接合は強磁性金属電極層と酸化物絶縁体からなるヘテロ構造薄膜である。高集積化のための垂直磁化やスピン軌道トルク記録書込みなどを実現するには、一層高度かつ複雑な多層構造が必要である。本研究では、これまでにない斬新な新規ヘテロ構造界面を開発し、トンネル磁気抵抗効果の増大、巨大な垂直磁気異方性の実現とその電圧制御、大きな異常ホール効果・スピンホール効果によるメモリやセンサ応用のための材料分野での要素技術開発等を行っている。

新規性・独創性

界面制御により、世界最高値のトンネル磁気抵抗効果、トンネル異方性磁気抵抗効果、量子井戸共鳴トンネル効果、Fe/MgO界面垂直磁気異方性を実現
量子井戸構造を利用した両極性の電圧制御が可能な界面磁気異方性の実現、および、素子抵抗温度特性の制御
新規垂直磁気異方性ヘテロ構造の開発

内容

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磁気メモリ・センサ応用に必要な機能特性を有する、スピントロニクス分野における新規磁性体ヘテロ構造薄膜の開発を行う。
(1) 不揮発磁気メモリの新規アーキテクチャを可能とするため、これまでに無い大きさのトンネル磁気抵抗効果の実現を狙う。トンネル磁気抵抗効果の更なる機構解明とそれに基づく界面制御を行う。通常のトンネル磁気抵抗効果のみならず、原子レベルで制御された磁性体量子井戸の創製も行い、共鳴トンネル効果による微分コンダクタンスの新規機能性開拓を目指す。図に量子井戸共鳴によるトンネル磁気抵抗効果の増大を実現した結果を示した。
(2) バルク材料では為し得ない大きさの界面垂直磁気異方性の探索を行う。高集積化に向けた情報記録担体としての性能向上のみならず、大きな異常またはスピンホール効果を示す材料の創出、大きなトンネル異方性磁気抵抗効果の実現という狙いもある。図には1MJ/m3という巨大な界面垂直磁気異方性を有するFe/MgOヘテロ構造の磁化曲線を示した。

まとめ

磁性体ヘテロ構造の原子レベル制御により、顕著なトンネル磁気抵抗効果や界面垂直磁気異方性を実現してきた。これらは今後の磁気メモリ・センサにおいて利用可能な要素技術であり、更なる特性向上を目指した研究を続けている。
界面での原子レベル制御にはまだまだ可能性があり、バルクでは為し得ない新規機能性・巨大効果が期待される。スピントロニクスデバイスのブレークスルーを実現する材料の研究開発を推進する。

この機能は所内限定です。
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