SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

ナノ材料・ナノバイオサイエンス

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      応用物理学会

      電子・光機能材料研究センター
      タイトル

      化合物半導体結晶成長技術開発とその機能探索

      キーワード

      化合物半導体,結晶成長,分子線エピタキシー,ヘテロ構造,量子ドット,赤外線検出器

      概要

      Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体ヘテロ構造は、受光・発光デバイスや電子デバイスなど多様な身近な用途で用いられている。今後のioT社会の発展に向けて、これらのデバイスをさらに高性能化・低価格化するとともに、新機能を開拓していくことが必要不可欠である。本研究では、Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体を中心とする材料に関して、高度なエピタキシャル成長基盤技術開発及びそれを駆使した新規ヘテロ構造の作製とその新機能開拓を行う。成長素過程の理解に基づく高度な結晶成長技術を開発することにより、次世代光源用量子ドット、高感度センシングデバイス用ヘテロ構造等の革新的な光・電子機能を有する半導体材料開発を推進する。

      新規性・独創性

      NIMS独自の手法である液滴エピタキシー法を用いることにより、従来の手法では実現の難しかった極めて高い面内対称性を有する量子ドットを実現することができる。この技術は、オンデマンド量子もつれ光子源への展開が期待される。
      格子定数の大きく異なる半導体ヘテロ構造において形成される転位ネットワークを含む界面構造を利用することにより、暗電流の少ない赤外線検出器を実現することができる。この技術は高性能な赤外線検出器を簡便かつ安価に実現することにつながる。

      内容

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      NIMS独自の手法である液滴エピタキシー法を用いて、従来法では実現の難しかった(111)A方位の基板上に高い面内対称性を有する量子ドットを自己形成することに成功した。面内対称性の高い量子ドットはオンデマンドで量子もつれ光子を発生することができるため、量子情報デバイスへの応用が期待される。可視域で発光するGaAs量子ドットに関しては、量子もつれ光子の電流注入による発生を実証している。また、通信波長帯で発光するInAs量子ドットに関しては、単一光子発生まで達成している。
      ナローギャップ半導体を用いた赤外線検出器は、環境センサーや暗視カメラなどに応用可能であるが、高性能なデバイスに関しては、材料の毒性が高い、基板が高価、などの問題があった。我々は、特異な格子緩和機構によりほとんどの格子不整合が結晶成長初期に緩和されるヘテロ材料系に着目した。その界面に局在した転位の特性を利用することにより、暗電流の低い赤外線検出器動作を実現した。これまでに、InAs/GaAsヘテロ材料系を用いることにより拡張赤外域の検出を実証している。この技術を用いることにより、安価な基板上に高性能な赤外線検出器を実現できる可能性がある。

      まとめ

      III-V族化合物半導体の高度な結晶成長技術を開発し、それを駆使することにより半導体ヘテロ構造を作製し、その機能性を実証してきた。高度な機能性を有する新規ヘテロ構造の実現には、理論に基づく構造設計や原子スケールでの結晶成長素過程の理解等が必要不可欠であり、これらを高度に融合させることにより、さらに研究を発展させていく。

      この機能は所内限定です。
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