HOME > Profile > KAWAZOE, Naoki
- Address
- 305-0044 1-1 Namiki Tsukuba Ibaraki JAPAN [Access]
Research
- Keywords
パターン化、高分子、幹細胞制御
PublicationsNIMS affiliated publications since 2004.
Published patent applications
- 抗がん剤内包リポソームと光熱変換ナノ粒子と生体吸収性高分子との複合多孔質材料及びその製造方法 (2023)
- 多孔質体とその製造方法 (2008)
- 多孔質体とその製造方法 (2008)
Society memberships
日本バイオマテリアル学会, 日本再生医療学会, 高分子学会, Tissue Engineering and Regenerative Medicine International Society
Research Center for Macromolecules and Biomaterials
幹細胞機能制御のためのマイクロパターン化培養材料
再生医療,幹細胞,マイクロパターン化培養材料
Overview
細胞の大きさや形状、配向性などは、細胞、細胞が集まってできた機能単位である組織、さらに組織が組み合わさってできた器官や臓器の機能に密接に関わっていると考えられている。NIMSでは、細胞の大きさ・形状等を単一細胞レベルで制御したり、細胞の集合状態を制御したりすることが可能なマイクロパターン化培養材料を開発している。これまで、再生医療の重要な細胞源である幹細胞に対し、その大きさ、形状、伸展、キラリティー、細胞間相互作用などの物理的ファクターを制御しながら培養を行った。これらの物理的ファクターによって、幹細胞の分化能および未分化能維持、遺伝子導入効率、ナノメカニクス等にどのような影響が生じるかを研究した。さらに最近では、細胞の大きさ・形状を培養環境(たとえば培養液の粘度)ともに変化させた場合の分化誘導効率の相乗的効果を明らかにした。
Novelty and originality
● 細胞の集合状態を制御可能
● 細胞の大きさ・形状等を単一細胞レベルで制御可能
● 同一材料表面に任意の異なるマイクロパターンを形成可能
● 数週間~数か月にわたる細胞培養にも安定なマイクロパターン
● 光リソグラフィーによる、量産化に適した製造プロセス
Details
光リソグラフィー法を用いて、感光性高分子をマイクロパターン状に固定化した細胞培養材料を開発した。細胞非接着高分子を感光基で化学修飾した後、細胞培養基材に塗布する。塗布面をフォトマスク(マイクロパターンを描画)で覆い、UV光に露光する。露光領域のみに細胞非接着高分子がグラフト固定化されたマイクロパターン化培養材料が得られる。本材料を用いれば、細胞が接着できる領域を制限することができる。その結果、細胞の大きさ、形状、伸展、キラリティーなどを制御することができる。本材料によって幹細胞の大きさ、形状、伸展、キラリティーなどを制御しながら培養を行い、これらの物理的ファクターによって、幹細胞の分化能および未分化能維持、遺伝子導入効率、ナノメカニクス等にどのような影響が生じるかを明らかにした。図は、幹細胞を異なるらせん状マイクロパターン上で培養し、渦巻き角の違いによる遺伝子導入効率への影響を調べた例である。遺伝子導入効率は渦巻き角に依存することがわかった。
Summary
細胞の集合状態や、細胞の大きさ、形状、伸展、キラリティー等を制御することが可能なマイクロパターン化材料を開発した。本材料は、幹細胞研究のための培養システム、ハイスループット幹細胞機能評価システム、およびハイスループット創薬スクリーニングシステム等に応用できると期待される。その実現に向けて今後も研究開発を推進する。