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研究内容

Keywords

高圧合成、遷移金属窒化物、超伝導

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      日本高圧力学会, 日本金属学会

      受賞履歴

      • 日本金属学会 第11回奨励賞(2001) ()
      ナノアーキテクトニクス材料研究センター
      タイトル

      超高圧環境を利用した新規超硬質材料の探索

      キーワード

      高圧合成,超硬質材料,新物質探索,遷移金属化合物

      概要

      代表的な超硬質材料である炭化タングステン(WC)合金は、タングステンの高い偏在性に由来する慢性的な供給リスクを抱える状況であり、WC合金の代替材料開発への要望が根強い。また近年、航空機や自動車産業等における軽量構造材の開発とその需要増加に伴い、WC合金にとって難削材である炭素繊維複合材料(CFRP)やCFRP/チタン合金スタック材に対する機械加工の要請が高まっており、WC合金の特性を超えるような新規超硬質材料の開発が望まれている。本研究では、主として4d遷移金属窒化物およびその関連物質における新規超硬質材料の探索実験を超高圧環境下で実施し、新たな超硬質材料の合成およびその焼結体試料の合成プロセスの開発を目指す。

      新規性・独創性

      代表的な超硬質材料である炭化タングステン(WC)合金の代替材料の開発を目指した新規超硬質材料の探索
      フラットベルト型高圧装置による大容量試料の高圧合成(試料容積:〜1cm3、発生圧力:〜10GPa、発生温度:〜2400℃)
      アジ化ナトリウム(NaN3)を窒素源とする各種窒化物に対する高圧下窒素アニール処理

      内容

      image

      本研究では、300GPaを超える体積弾性率を有する4d遷移金属窒化物γ-Mo2N(立方晶)およびδ-MoN(六方晶)に注目し、それらの窒素原子サイトおよびモリブデン原子サイトを他の元素で置換した (NbxMo1-x)2(ByCzN1-y-z)系および(NbxMo1-x)(ByCzN1-y-z)系における新規化合物の探索実験を「高温高圧合成法」を用いて実施し、新たな超硬質材料の合成を目指す。また、その焼結体試料の合成プロセスを開発し、得られた焼結体試料の特性・機能評価を実施する。
      一例として、7.7GPa, 2000℃で合成された立方晶Mo2(CxN1-x)系と(NbxMo1-x)2N1+x系の焼結体試料のビッカース硬度測定結果を左図に示す。両系とも母物質である立方晶γ-Mo2Nからの元素置換量xの増加に対応してビッカース硬度が上昇する傾向が観察され、x=0.5の試料で最大値(約19GPa)を示した。MoサイトやNサイトの原子の50%を他元素で置換することで焼結体試料のビッカース硬度が1割程度向上しており、合成条件・組成の最適化や原料粉末の粒径制御・焼結体試料の組織制御等、合成プロセスの再検討・最適化により更なるビッカース硬度の向上が見込まれる。

      まとめ

      安価かつ偏在性の低い4d遷移金属化合物を中心とする新規超硬質材料の開発
      超硬工具分野における炭化タングステン(WC)合金の代替材料の開発
      炭素繊維複合材料(CFRP)やCFRP/チタン合金スタック材に対する機械加工に優れた新規超硬質材料の開発

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