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学生受け入れ中
研究内容
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- Haruhiko Morito, Takuji Ikeda, Yukari Katsura, Hisanori Yamane. Na3MgB37Si9: an icosahedral B12 cluster framework containing {Si8} units. Acta Crystallographica Section E Crystallographic Communications. 78 [2] (2022) 203-206 10.1107/s2056989022000494 Open Access
- Erina Fujita, Chang Liu, Asuka Ishikawa, Tomoya Mato, Koichi Kitahara, Ryuji Tamura, Kaoru Kimura, Ryo Yoshida, Yukari Katsura. Comprehensive experimental datasets of quasicrystals and their approximants. Scientific Data. 11 [1] (2024) 1211 10.1038/s41597-024-04043-z Open Access
- Yukari Katsura, Hidenori Takagi, Kaoru Kimura. Roles of Carrier Doping, Band Gap, and Electron Relaxation Time in the Boltzmann Transport Calculations of a Semiconductor’s Thermoelectric Properties. MATERIALS TRANSACTIONS. 59 [7] (2018) 1013-1021 10.2320/matertrans.e-m2018813 Open Access
書籍
- 桂 ゆかり. 第4章 マテリアルズ・インフォマティクスによる無機材料の新材料開発 第6節 熱電変換材料開発のため マテリアルズ・インフォマティクス. マテリアルズ・インフォマティクスによる 材料開発と活用集. 技術情報協会, 2019, 11.
口頭発表
- 桂 ゆかり. Starrydataデータベースの論文データを用いたMaterials Informatics. 公益社団法人日本セラミックス協会 関東支部 支部大会・支部講演会. 2025 招待講演
- KATSURA, Yukari, MATO, Tomoya, TAKADA, Yu, デウィ ヤナ, FUJITA, Erina, 細野 史一, 小山 栄二, 斉藤 直人, 田中 敦美, 熊谷 将也. Starrydata Explorers: Visualization Platforms to Overview the Past Reported Experimental Samples. 2025 TMS Annual Meeting & Exhibition. 2025
- KATSURA, Yukari. Starrydata2: an Open Platform for Materials Data Curated from Literature. 2025 TMS Annual Meeting & Exhibition. 2025 招待講演
その他の文献
- 桂 ゆかり. 論文からグラフの元データを集める Starrydataプロジェクト. Oyo Buturi. (2020) 400-404 10.11470/oubutsu.89.7_400
- 桂 ゆかり. 論文データのMaterials Informaticsに向けた自然言語処理. 電気学会論文誌. A. 144 [9] (2024) 350-359 10.1541/ieejfms.144.350
所属学会
日本熱電学会, 応用物理学会, 日本金属学会
マテリアル基盤研究センター
大規模データベースStarrydataで材料科学の世界を俯瞰
マテリアルDX,データベース,マテリアルズ・インフォマティクス,新物質探索,無機結晶構造,熱電材料,磁石,準結晶,超伝導,電池材料
概要
世界の材料科学データを構造化して、デジタル形式で提供することで、世界の材料科学研究を加速できるインフラを作りたいと考えている。このため、過去に出版された1万本以上の論文から材料科学の実験データを収集するチームを作り、世界の材料科学者が自由に活用できるオープンデータベースStarrydataを公開している。さまざまなデータセットを用いたMaterials Informatics (MI)の新規手法の開発に取り組むとともに、実験系研究者の共同研究による大規模新物質探索にも取り組んでいる。
新規性・独創性
● 1万本以上の論文のグラフ画像から5万試料以上の実験データを収集
● 試料単位で材料物性の2次元データ、化学組成と製法などの情報を収録
● 引用だけで無償で使用できるユーザー参加型のオープンデータベース
● 企業などとの共同研究でデータ収集対象やデータベース構造を設計
● データ科学を生かした新物質探索支援ツールを開発
内容

数万種類の物質から目的の機能を持った新物質を見つけるには、材料科学全体を見渡せる俯瞰的な視野が必要となる。Materials Informatics (MI)は、その思考をアシストできる新しい研究手法である。機械学習などのデータ科学から候補を洗い出し、研究者がさまざまな角度からデータを見ることで、直観と洞察に基づく材料開発ができるようになると期待している。
本研究者らが開発したStarrydata2 webシステム (https://www.starrydata2.org) は、図のように論文中のグラフ画像から材料特性の実験データを収集した大規模オープンデータベースである。熱電材料や磁石材料などさまざまな無機機能材料について、特性の良し悪しに基づく選別を行わず試料単位でデータを収集することで、データ数とバイアスの低減を両立したMI用のデータセットを構築している。これを用いて目的別に使いやすく加工したデータセットや、その閲覧用Webシステムを開発している。これにより世界中の材料科学者が、これまでに報告されてきた試料組成の分布と、各材料系の特性の特徴とばらつきを俯瞰するとともに、それぞれ独自のアプローチでMIの研究を行うことができる。
Starrydataでは、共同研究先の企業や研究グループの支援を受けて専属のデータ収集者を雇用することで、自動と手動の併用による正確なデータ収集を目指している。共同研究先には、目的に合わせた対象論文の選定やデータベース設計と、他所に先駆けた実験データMIのノウハウ共有などのメリットを提供している。
論文データ以外にも、大規模結晶構造データに基づく結晶構造のモデリングツールなど、新物質探索に役立つさまざまなWebツールの開発に取り組んでいる。合成実験と第一原理計算の研究経験を活かして、世の中の膨大な知識を俯瞰できるツールとデータの提供を通して材料研究への貢献を目指している。
まとめ
● 世界の材料科学の実験データへのデジタルアクセスの実現を目指すオープンデータベース
● データ科学的視点で材料開発を行う研究者人口の増大と、それによる新規材料開発の加速が目標
● 世界の研究者と企業が協力して、論文などの実験データを共有・集積していく文化の醸成を目指す