SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

所属学会

日本熱電学会, 日本金属学会, 日本物理学会

受賞履歴

  • 第39回井上研究奨励賞, 公益財団法人井上科学振興財団 (2023)
  • 第4回蔡安邦賞 (2023)
  • 東京大学大学院新領域創成科学研究科 研究科長賞(博士) (2022)
  • 日本金属学会, 第2回新進論文賞 (2022)
  • 日本物理学会秋季大会(2020年), 日本物理学会学生優秀発表賞(領域6) (2020)
  • The 5th Asian Conference on Thermoelectrics and the 6th Southeast Asia Conference on Thermoelectrics, Best Oral Presentation (2020)
  • 第14回物性科学領域横断研究会 若手奨励賞 (2020)
  • 第17回 日本熱電学会学術講演会 優秀ポスター賞 (2020)
  • 東京大学大学院新領域創成科学研究科 研究科長賞(博士) (2019)
  • 第16回 日本熱電学会学術講演会 優秀講演賞 (2019)
  • 日本物理学会第74回年次大会(2019年), 日本物理学会学生優秀発表賞(領域6) (2019)
  • 東京大学新領域創成科学研究科物質系専攻, 修士論文優秀賞 (2019)
  • 日本物理学会第73回年次大会(2018年), 領域6(金属,低温) 学生優秀発表賞 (2018)

外部資金獲得履歴

  • 科研費,若手研究 (2024)
  • 熱・電気エネルギー技術財団 (2023)
  • 科研費, 研究活動スタート支援 (2022)
  • 科研費, 新学術領域研究(研究領域提案型)(分担研究者) (2022)
  • 熱・電気エネルギー技術財団 (2022)
  • 日本学術振興会特別研究員DC1 (2019)
ナノアーキテクトニクス材料研究センター
タイトル

中低温廃熱回収用新規熱電材料の開発

キーワード

熱電材料,第一原理計算,バンドエンジニアリング

概要

体温や電子機器から生じる微小な熱、工場・自動車から生じる中高温廃熱を利用して発電する熱電材料は持続可能な社会の実現に貢献する材料として注目を集めている。しかし、変換効率の高い熱電材料の多くは、毒性・希少元素を含む、熱・化学的安定性が悪い、機械強度が十分でない等の多くの問題を抱えており、幅広い実用化には至っていない。本研究では金属的な性質を持つ合金系材料に半導体的特性を持たせることでこれらの問題を解決する材料を開発することを目指す。これにより、熱電材料として適していないとされていた金属的性質を持つ材料が半導体化することによって高性能化する可能性があり、材料探索の幅が拡張される。

新規性・独創性

従来は金属的性質のものしか見つかっていなかった合金系で半導体的性質のものを発見
第一原理計算を用いた軌道解析によってバンド構造の制御指針を見出す
室温付近で熱電材料の無次元性能指数zTを最大化する材料を創製
元素置換によってp,n特性を制御可能であり、モジュール化に適している
良好な熱的・力学的特性を持つ材料を創製

内容

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我々は近似結晶と呼ばれる低い熱伝導率を示す複雑構造固体を熱電材料として応用する研究を進めてきた。しかし、半導体の近似結晶は当時見つかっておらず、高い無次元性能指数zTが出ないことが問題であった。そこで、ギャップの閉じた半金属的なバンド構造を持つAl–Ir系近似結晶に注目し、バンド端の電子軌道を可視化することでギャップを広げる指針を得た(図1(左))。その結果、Alの一部をSiで置換し、IrをRuで置換することでギャップを広げ、Al–Si–Ru系で世界初となる半導体の近似結晶を創製した。また、キャリアドープによってp型とn型の作製も可能となり、それぞれの極性で関連物質最大のzTを得ることに成功した(図1(右))。

まとめ

熱電材料に適していない金属的な性質を持つ材料に半導体的特性を持たせることで新たな熱電材料を開発することを目指す。これにより、熱電材料として適していないとされていた金属的性質を持つ材料が半導体化することによって高性能化する可能性があり、材料探索の幅が拡張される。実際にAl-SI-Ru系近似結晶で半導体の作製とp型n型で関連物質中最高性能を得ることに成功した。

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