SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

ナノ構造科学 物性I 無機材料・物性

所属学会

日本物理学会

ナノアーキテクトニクス材料研究センター
タイトル

ネットワーク物質の創製と新規物性の探索

キーワード

ネットワーク物質,層状物質,ホウ素,炭素,理論計算

概要

軽元素であるホウ素、炭素は共有結合性を持ち同素体間のエネルギー差が小さいため、その化合物は1次元から3次元の多様なネットワーク構造を取りうる。その柔軟な特性を利用して、ホウ素、炭素原子を骨格とした多種多様な新規物質の創製を目指している。本研究では主に理論計算を用いて新規物質の合成の可能性や有用な物性の探索を行っている。ホウ素炭素化合物は特に高圧高温化で様々な同素体が報告されているが、実験的再現性に乏しい場合がしばしば見うけられる。これは今まで見過ごされてきた水素の混入が原因ではないかと考え、理論計算を元に構造多様性の解明と新規物質合成への展開を目指している。

新規性・独創性

● ホウ素と炭素の組み合わせによる新規構造
● ネットワーク構造内への水素吸蔵作用
● 格子間原子による電子状態制御
● 高い振動数を利用した光学素子への応用

内容

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ホウ素と炭素のネットワーク構造を有する物質の一つにB₅₀C₂が挙げられる。従来Ploogらにより提唱されたモデル(Fig.1 a)が正しいと思われてきたが、最近Bakerらにより新しいモデル(Fig.1 b)が提唱された。我々の理論計算により、B₅₀C₂ は3000K以下、30GPa以下の全領域で自由エネルギーが隣接相より高く安定にはならないことが判明し、さらに炭素原子の量を変えて探索したとこと、B₄₉C₃ が最も安定であり17 GPa および 1500 K を超える圧力・温度条件で隣接するB₁₀₆C、B₁₃C₂より安定であることを発見した(Fig.2 b)。同時にB₄₉C₃ がB₅₀C₂+B₄₈C₄相よりも全面的に安定なため(Fig.2 d)、実験で報告されているB₅₀C₂は実際にはB₄₉C₃である可能性がある。
実験では、B₅₀C₂は原材料に水素が含まれる場合に報告されているため、水素が混入している可能性を調べたところ、一例としてB₅₀C₂H₂という組成で安定になることを見出した(Fig.3)。この化合物の電子状態密度は半導体的で実験結果に一致し(Fig.4 左)、フォノンの分散を見ると動的にも構造安定である(Fig.4 右)。

まとめ

ホウ素、炭素を中心としたネットワーク物質は多様な構造を取るが、水素の混入が大きな影響を及ぼしている可能性がある。例としてB₅₀C₂の構造について理論計算による研究を行ったところ、従来安定と考えられてきたB₅₀C₂は安定でなく、B₄₉C₃の組成かあるいは微量の水素を含むB₅₀C₂Hₙ を形成している可能性が示された。今後これまで報告されてきたホウ素、炭素ネットワーク物質についても水素混入の影響を調査し新規物質の開発に役立てたい。

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