HOME > Profile > FUJII, Hiroki
- Address
- 305-0047 1-2-1 Sengen Tsukuba Ibaraki JAPAN [Access]
Research
- Keywords
超伝導材料、MRI、エネルギー損失ゼロ
PublicationsNIMS affiliated publications since 2004.
Society memberships
低温工学・超電導学会
Research Center for Energy and Environmental Materials (GREEN)
MgB2超伝導線材の低温焼結
超伝導線材,軽量,超伝導磁石,磁気浮上,電動航空機
Overview
他の超伝導体と比べると、MgB2は比較的高い超伝導転移温度39Kと軽量性とが特長である。偏在資源のHeを用いず、液体水素温度(20K)で稼働する軽量MgB2線材を開発できれば、磁気浮上列車や電動航空機等への応用が期待される。現在開発中のMgB2線材のシース材には、加工性や熱伝導性に優れたCu合金等が用いられているが、一層軽いAl(合金)シースでの作製を目指す。しかしAl(合金)の融点は660℃以下と低く、低温加熱処理での作製が必須となる。
Novelty and originality
● 従来の手法と比べ、本手法で作製した線材の加熱処理温度は100–300℃低下する
● 560℃での焼結で従来の手法と同等の臨界電流密度(Jc)特性が得られており、Al(合金)シース使用の可能性がある
● Feシースを用いて作製した線材のJc特性は、焼結温度の低下によってほとんど劣化しない
Details
MgB2線材の主要な作製法はpowder-in-tube(PIT)法であるが、PIT法のうち、MgB2粉末を充填粉とするex- situ法で開発を進めている。Mg+B混合粉等を充填粉とするin-situ法では、線材作製に際し650℃前後でのMgB2生成反応が必要なのに対し、ex-situ法では加熱せずとも超伝導電流が流れる。しかしながら、通常Jc特性の改善のために900℃以上で焼結処理を行う。
本研究では、粉砕処理によって活性化された充填粉の取り扱いに細心の注意を払うことにより(左図)、最適焼結温度を100–300℃で低下させることができ、焼結温度560℃で従来の手法と同等のJc特性が得られた(右図)。
560℃はAlの融点660℃よりもかなり低く、現在開発中のMgB2線材に使用されているCu(合金)シースが、より軽いAl(合金)シースに代わる可能性がある。軽量線材の開発により、Nb-Ti線材に代わる4.2Kでの軽量超伝導磁石や20Kでの磁気浮上列車や電動航空機への応用が期待される。
Summary
● 今後Al (合金)シース使用でもFeシースと同等以上のJc特性を達成することを目標とする
● Nb-Ti線材に代わる4.2Kでの軽量超伝導磁石用線材としての利用が期待される
● 20Kでの低コスト軽量超伝導線材としての利用が期待される