HOME > Profile > ADACHI, Yutaka
- Address
- 305-0044 1-1 Namiki Tsukuba Ibaraki JAPAN [Access]
Research
- Keywords
酸化亜鉛、圧電体、強誘電体
PublicationsNIMS affiliated publications since 2004.
Research papers
- ADACHI, Yutaka, 竹中正. Effects of Sample Shape on Measurements of Electromechanical Coupling Factor:Effects of the Ratio of Length to Width,Width to Th. Japanese Journal of Applied Physics. (1996) 1913-1916
- 齋藤 紀子, 安達 裕, 鈴木 拓. 酸化亜鉛ガスセンサの結晶面効果. Chemical sensors. 39 [4] (2023) 108-119
- 浅香透, 安達裕, 鶴田忠正, 高橋紘一郎, 堤貞夫, 松井良夫. 断面TEM法による(Nd,Ce)2CuO4超伝導体薄膜の成長機構と局所構造観察. 表面科学(日本表面科学会). (1999) 477-485
Proceedings
- Isao Sakaguchi, Ken Watanabe, Yutaka Adachi, Takeshi Ohgaki, Shunichi Hishita, Naoki Ohashi, Hajime Haneda. Oxygen tracer diffusion in a-axis oriented ZnO thin films grown on sapphire by pulsed laser deposition. KEY ENGINEERING MATERIALS. (2013) 266-270 10.4028/www.scientific.net/kem.566.266
- Yutaka Adachi, Naoki Ohashi, Isao Sakaguchi, Hajime Haneda. Crystal Polarity and Electrical Properties of Heavily Doped ZnO Films. MRS Proceedings. (2012) 1-6 10.1557/opl.2012.1579
- T Ogino, S Sato, N Ohashi, S Hishita, I Sakaguchi, Y Adachi, K Nakajima, T Takenaka, H Haneda. Electric property of ZnO based transparent conductor films in GHz range. IOP CONFERENCE SERIES:MATERIALS SCIENCE AND ENGINEERING. (2011) 092051-1-092051-4 10.1088/1757-899x/18/9/092051
Presentations
- ADACHI, Yutaka. Effect of Mg Addition on Gas Sensing Properties of ZnO Films. STAC - D2MatE 2024. 2024
- SUZUKI, Taku, ADACHI, Yutaka, OGAKI, Takeshi, SAKAGUCHI, Isao. Operando analysis of gas sensing surfaces by LEIS combined with pulsed jet technique. IBA & PIXE 2023. 2023 Invited
- 安達 裕. 無添加およびSi添加WO3薄膜のエピタキシャル成長と結晶構造. 第84回応用物理学会秋季学術講演会. 2023
Misc
- 大橋 直樹, 坂口 勲, 石垣 隆正, 齋藤 紀子, 安達 裕, 羽田 肇. 酸化亜鉛の欠陥構造と物性. MATERIALS INTEGRATION(マテリアルインテグレーション). 21 [10] (2008) 26-28
- HANEDA, Hajime, SAKAGUCHI, Isao, NAKAGAWA, Tsubasa, OHASHI, Naoki, RYOKEN, Haruki, HISHITA, Shunichi, ADACHI, Yutaka, ITOH Junichi. Evalution of Ion Diffusion in Barium Titanate Ceramics with SIMS. Proseedings of The 23rd International Korea-Japan Seminar on Ceramics. (2006) 99999
- ADACHI, Yutaka, ポール・ムラート, ナバ・セッター. Orientation control of lanthanoid-doped Bi4Ti3O12 films for lead-free thin-film piezoelectrics.. Proceedings of the 22th International Japan-Korea Seminar on Ceramic. (2005) 327-330
Published patent applications
- ゲルマン酸鉛系セラミック薄膜透光体とその製造方法 (1997)
- 酸化物分散粒子の形成方法 (1997)
- 酸化亜鉛基薄膜材料の製造法 (2003)
Society memberships
応用物理学会, 日本セラミックス協会
Research Center for Electronic and Optical Materials
酸化物半導体薄膜の雰囲気ガス応答特性の向上
酸化物半導体薄膜,酸化亜鉛,極性制御,ガスセンサ,ガス選択性
Overview
酸化物半導体は雰囲気中のガス濃度に対応した電気抵抗変化を生じるため、ガスセンサとして応用されており、現在はより高感度、よりガス選択性の高いセンサの開発が求められている。薄膜型のセンサの場合、膜厚を薄くすると応答性が向上することが期待されるが、膜厚数十nm以上のセンサに関する報告がほとんどであった。我々は、酸化物半導体を10nm程度まで薄膜化することにより、センサ応答が劇的に向上することを明らかにした。また、酸化物半導体結晶表面にどの結晶面が露出するかは、センサのガス選択性に大きく影響する。我々は薄膜最表面に露出する結晶面を制御するプロセスを開発し、同じ材料でもガス選択特性の異なるセンサを作製できることも明らかにした。
Novelty and originality
● 酸化物半導体薄膜の膜厚を10 nm程度まで薄くすることにより、薄膜ガスセンサの応答特性が劇的に向上
● 酸化物半導体ZnO薄膜作製プロセスの開発により、表面がZn原子で終端された薄膜と、O原子で終端された薄膜の作り分けが可能
● 酸化物半導体薄膜表面の結晶面を制御することで、同じ材料でも異なるガス応答特性を有するセンサの作製が可能
Details
ZnOやSnO2などのn型酸化物半導体は、古くからガスセンサとしての応用研究がなされている。比較的高感度、小型化が容易、安価、といった特徴があり、モバイルデバイスへの搭載や、センサネットワークなどへの応用に適している。これら応用のためには、センサのさらなる高感度化、ガス選択特性の改善などが求められている。
薄膜型半導体ガスセンサの膜厚は、センサ応答値に大きく影響するパラメーターであり、膜厚が薄くなるほどセンサ応答値が向上することが期待される(上左図)。これまでは、膜厚数十nm以上のセンサに関する報告がほとんどであったが、10nm程度まで薄膜化することによりセンサ応答値が劇的に向上することが明らかになった(上右図)。
また、酸化物半導体結晶表面にどの結晶面が露出するかは、センサのガス選択性に大きく影響する。ZnOのような極性結晶は表面がZn原子で終端された結晶面とO原子で終端された結晶面があるため(下左図)、最表面がどちらの結晶面であるかによりガス選択性が異なることが期待される。我々は、任意の結晶面だけを最表面に露出させる製膜法を開発し、様々な基板上に、最表面に露出する結晶面が異なるZnO薄膜を作製してきた(下右図)。それら薄膜のガスセンサ特性を評価することにより、同じ半導体材料でもガス選択特性の異なるセンサを作製できることが明らかになった。これらの結果は、高感度、高ガス選択性を持つガスセンサの設計指針に役立つことが期待される。
Summary
● 本研究の成果を用いることにより、小型で高感度、ガス選択性に優れたガスセンサの実現が期待できる。
● 小型で高機能なガスセンサは、携帯型の呼気分析デバイスや環境ガスモニタリングネットワークへの応用が期待できる。
● 実用化のためには、様々なガスに対して選択性を示すセンサをより多く開発する必要がある。