SAMURAI - NIMS Researchers Database

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外部併任先

研究内容

Keywords

単一電子素子、機能性有機トランジスタ、分子ナノ構造制御

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

書籍
会議録
口頭発表
その他の文献

所属学会

応用物理学会, 日本表面真空学会, Materials Research Society, European Materials Research Society

受賞履歴

  • 優秀論文賞(MNC2018) (2019)
  • 応用物理学会解説論文賞 (2017)
  • Best Poster Award (MRS Spring meeting 2010) (2010)
  • 応用物理学会講演奨励賞 (1997)

外部資金獲得履歴

  • 集積度の飛躍的な向上を目指した有機負性抵抗トランジスタの開発 (2019)
  • トランジスタ型超高感度イオンセンサーの開発とセシウムイオン検出への応用 (2016)
  • 分子で創る完全へテロ界面と新規分子デバイスへの応用 (2016)
  • 分子超格子を使った分子トンネル素子の開発 (2016)
  • フォトクロミックエレクトロニクスに向けた光異性化分子の集積化と光電変換機能 (2015)
  • 分子で創る超格子: 分子へテロ界面形成過程の直接観察からのアプローチ (2014)
  • 分子ナノワイヤーを用いた多値論理デバイスの開発 (2012)
  • 異種分子組織膜のメモリ機能への応用:シリコンプロセスとの融合を探る (2011)
  • ナノワイヤアレイの創製とデバイス応用 (2009)
ナノアーキテクトニクス材料研究センター
タイトル

分子性ナノ物質で築くヘテロ界面エレクトロニクス

キーワード

有機トランジスタ,ヘテロ界面,多値演算,論理演算,ロジック-イン-メモリ

概要

有機エレクトロニクスの新分野を開拓すべく、独自に開発したヘテロ界面トランジスタを駆使して、従来型の(0,1)の2値演算やCMOSを基軸とした回路設計を超える新しい演算機構を実現する。このトランジスタの中心部にはpnヘテロ界面が形成されており、ドレイン電流が急峻に増減するというユニークな特性を示す。この負性抵抗に類似する現象に着目して(0,1,2)の3つの演算値を示す3値演算素子の実証にも成功した。これらを発展させて4値以上の多値演算、再構成可能な論理演算素子、演算とメモリを融合したロジック-イン-メモリ、パルス信号で記憶を制御するニューロモルフィック素子など、新しいデバイス群の動作原理を確立する。

新規性・独創性

二次元分子膜などナノ物質を「部品」として新しい素子構造を組み立てることにより、電流の「増やす」「減らす」「貯める」を操る。これより飛躍的な高集積化に向けた多値演算や論理演算、演算とメモリを融合したロジック-イン-メモリ、超低消費電力化に資する非ノイマン型ニューロモルフィック素子などを実現する。いずれも電流の増減を制御できるヘテロ界面トランジスタなら可能な素子動作であり、通常のCMOS回路では達成できない。これにより、柔らかさと高集積度の両立、微細加工に頼らない素子設計、消費電力の低減、動作速度の向上を実現し、有機エレクトロニクスの未踏分野を開拓する。

内容

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多値演算素子の開発:図1に示すように、このトランジスタの中心部にはpnヘテロ界面が形成されており、そのためドレイン電流が急峻に増減するというユニークな特性を示す。特に電圧の増加に対して電流が減少するという負性抵抗を活用して、 (0,1,2)の3つの演算値を示す3値演算素子の実証にも成功した。従来型の(0,1)の2値演算では、N個の素子の集積度は2Nに比例するが、これを3値演算にしたことにより、その集積度は3Nに比例して増加できる。さらに図2に示す素子構造において、(0,1,2,3)の4つの演算素子も実現できた。有機デバイスでは世界初の成果である。

多値ロジック-イン-メモリの開発:図3に示すように演算とメモリの2つの機能をひとつの素子で動作させ、さらにこの2つの機能を同時に多値化した多値ロジック-イン-メモリの動作を実証した。従来のノイマン型素子では、演算と記録が分離していることが素子機能のボトルネックとなっているが、本成果はその課題解決に資するだけではない。演算とメモリの両方を同時に多値化させることに成功しており、集積度と記録密度の飛躍的な向上に繋がる成果である。

まとめ

次世代IoT素子としてエネルギーハーヴェスティング素子やウェアラブル素子が注目されているが、軽量で柔軟な有機エレクトロニクスがその中心的な役割を担うのは間違いない。そこではデータの処理・記録・通信など、有機エレクトロニクスが最も苦手とする機能が求められる。本研究の主旨は、この課題に対して演算機構を革新することで応えようとするものである。

この機能は所内限定です。
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