SAMURAI - NIMS Researchers Database

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外部併任先

  • 理化学研究所 創発物性科学研究センター 強相関量子構造研究チーム 客員主管研究員
  • 高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 協力研究員

研究内容

Keywords

放射光、計測インフォマテイクス、強相関電子系、磁性体

放射光から発生するX線や軟X線の高輝度、短パルス、エネルギー・偏光可変などの特長を活かして、X線吸収、X線回折、共鳴X線散乱、X線顕微鏡などの計測手法を開発しています。また、データ科学手法を活用して計測データを解析する計測インフォマティクス技術の開発も行っています。先端的な計測技術と解析技術を融合させることで、強相関電子系や磁性体の構造や電子状態を観測し物性や機能の発現機構を解明する研究を行っています。

関連論文
[1] R. Takagi et al., Nature Communications 11, 5685 (2020)
[2] Y. Ishii et al., Physical Review Applied 14 (6), 064069(2020)
[3] Y. Ishii et al., Scientific Reports 12 (1), 1-8 (2022)
[4] Y. Yamasaki et al., J. Phys. Soc. Jpn. 89, 083703 (2020)
[5] M. Kimata et al., Nature Communications 12, 5582 (2021)

researchPicture

(a) 共鳴軟X線小角散乱による磁気スキルミオンの観測[1]、(b)軟X線顕微鏡による軟X線光渦の観測 [2,3]、(c) 反強磁性体におけるX線磁気円二色性の観測[4,5]

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      応用物理学会, 日本物理学会, 日本放射光学会

      外部資金獲得履歴

      • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 研究代表者 (2018)
      • 光科学技術研究振興財団 (2018)
      • 科学技術振興機構 さきがけ (2017)
      • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(A) (2016)
      マテリアル基盤研究センター
      タイトル

      放射光吸収・回折顕微鏡による磁性体研究

      キーワード

      放射光,計測インフォマティクス,磁性体,量子マテリアル,スピントロニクス

      概要

      放射光の高輝度、短パルス、エネルギー・偏光可変などの特長を活かして、X線吸収・回折顕微鏡の計測手法を開発しています。また、データ科学手法を活用して計測データを解析する計測インフォマティクス技術の開発も行っています。先端計測と解析技術を融合させ、量子マテリアルや磁性体の構造や電子状態を観測し物性や機能の発現機構解明を目指します。

      新規性・独創性

      高い時間と空間の分解能を両立した軟X線顕微鏡
      創発物性に関与する新奇電子状態の探索
      データ科学を活用した高効率な解析手法開発
      放射光を使った新しい吸収・回折計測手法開拓

      内容

      image

      放射光から発生する高輝度X線を活用し、物質や材料の構成元素の吸収端にX線のエネルギーや波長を調整して吸収・散乱測定することで、物性や機能に関与する電子状態を解明することができます。トポロジカル特性を有し、次世代のスピントロニクス材料への応用が期待される磁気スキルミオンにおいては、過冷却による磁気構造相転移を観測することに成功しています(図(a))。また、インラインホログラフィ法と呼ばれる軟X線顕微鏡を開発することで、軌道角運動量を有する軟X線の位相情報を直接観測することに成功しており(図(b))、物質や材料中に含まれる格子の位相欠陥などを効率よく可視化する技術になると期待されます。従来、観測できないと考えられてきた反強磁性体におけるX線磁気円二色性について、ある特殊な磁性体材料においては発現しうることを理論的に提唱し、実験によって実際に観測できることを実証しています(図(c))。これらの放射光による新しい計測手法や技術の開発は、従来の計測手法では観測できなかった物質や材料の物性や機能の潜在的な決定因子を可視化・抽出することができるようになり、より高性能な物質・材料の開発に寄与する解析情報を提供できると期待されます。

      まとめ

      次世代放射光NanoTerasuの高輝度軟X線を活用し、オペランド計測やマルチフィジックス計測により動作状態における機能電子やスピン構造を観測する手法を開発します。これにより物性や機能に直接関与する潜在因子を抽出し解明することを目指します。さらに、データ科学による先端的な解析手法を融合した計測装置を構築し、物質・材料研究のボトルネックを解消するAI技術統合型計測システムの構築していきます。

      この機能は所内限定です。
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