SAMURAI - NIMS Researchers Database

HOME > プロフィール > 天神林 瑞樹

外部併任先

  • 中央大学 理工学研究科 客員教授

研究内容

Keywords

Wetting; Liquid marble; Liquid infused surface; Superhydrophobic

我々は流体界面現象を紐解くことで、材料の表界面を機能化する研究を行っています。特に表面のナノ構造および化学特性を調整するによって固液界面の”濡れ性”を制御し、超撥水材料・超滑液塗料・リキッドマーブルを設計し、環境・エネルギー・医療分野に貢献する機能性材料の開発を担っています。 これまでの研究では、汚れのつかない反射防止被膜(太陽電池の発電効率の維持や内視鏡レンズの視界維持に利用)、リチウムイオン電池の電極と電解液の濡れ性を制御(高効率な負極ナノ構造体を開発)。長期間塩水に浸漬してもさびない金属用コーティングや、医療用光学センサ(選択的イオン浸透型応答表面)など、バルク特性を表面機能によって高度化する技術を開発してきました。 また、環境問題の解決に強い関心があり、例えば選択的に油を吸い、水をはじく多孔体を構築しました。海上への油の流出事故において油の回収と精製技術に利用できます。界面現象の理解とそれに基づく新規材料の設計を通じて、新たな価値の創造とSDGs、Society 5.0に貢献できる実用技術の開発を目指しております。

researchPicture

受け入れ先を検討している方へ:
最先端の表面・界面材料の創製を通じて、以下の3点を学ぶことができます。
1.世の中のニーズを的確に捉え、必要な課題を洗い出す情報収集能力。
2.材料開発過程において養われる問題解決能力。
3.最先端の研究による世界に通用する専門知識とその研究成果。

世の中にある材料における課題の多くは、界面現象が密接に関わっています。我々は特定のノウハウに依存するのではなく、物事の根幹にある界面現象をマクロな視点(流体力学)からミクロな視点(熱力学)まで解析し、課題解決のための設計指針を探ります。もちろん最終的には実用化を目指すために材料の適合性や作製プロセスまでこだわり,これまで工業分野から医療・環境エネルギー分野に役立つ機能性表面材料を創出してきました。

所属学会

日本化学会, コロイドおよび界面化学部会

受賞履歴

  • JSPS Excellent Young Researcher Candidate (2019)
  • Best Poster Awards in Okinawa Colloids 2019 (2019)
  • Keio University Excellent Research Award (2018)
  • JSPS Research Fellow PD (2017)
  • JSPS Research Fellow DC1 (2016)
  • Keio University Award for Material Design Science Course (2016)
  • Fujiwara Award (Scholarship) (2015)
  • Keio University the 15'th Applied Physics and Physico-Informatics chief award (2014)

外部資金獲得履歴

  • 創発的研究支援事業 (2023)
  • 科研費基盤B 液体膜上の固体付着・滑落性同時制御によるメンテナンスフリー微小固体捕集技術 (2021)
  • 卓越研究員事業 流動抵抗低減スマートコーティングの開発 (2019)
  • 科研費若手研究 撥水/撥水パターニング表面での特異的ピン止め現象の解明と高効率液体輸送技術の開発 (2018)
  • 科研費特別研究員奨励費 CH-π相互作用による液膜保持を用いた滑水性防氷膜の作製 (2016)
ナノアーキテクトニクス材料研究センター
タイトル

液滴を自在に操るナノテクノロジー

キーワード

撥水ナノ材料,液滴の物理学,リキッドマーブル,超撥水,滑液表面

概要

ナノテクノロジーにより液体の不本意な付着を抑える技術の開発に注力している。食品の容器への付着は洗浄コストだけでなくフードロスにつながる。これまでに、従来困難であった低表面エネルギー液体(油・有機溶媒)・粘性液体(流動性食品)・微小液滴(ミストや結露水)の撥液性材料を開発した。他にも貴重な薬品や細胞内包液滴を固体物質のようにハンドリングする技術、微小液滴のゼロロス輸送技術、液体粉末化技術を報告してきた。

新規性・独創性

液滴の物理学とナノ材料科学のバックグラウンドを活かして、本分野を先導
撥液性コーティング:撥水性能(液体付着力・撥液可能な液体の種類)と付随機能(透明性・耐久性・易成膜性)を両立したコーティング剤を開発。
液滴ハンドリング技術:マイクロ液滴の機能化手法により自在ハンドリングが可能。

内容

image

自然界の撥水現象や水輸送、インクジェットなどの工業プロセス、結露や凍結、汚染といった環境問題の根本にあるのは液滴の濡れ挙動である。液滴の物性や形状、生成過程によってその濡れ方は多岐にわたるが、その挙動を自在に操ることができればあらゆる分野で役立つシーズ技術となる。我々はナノ材料の自己組織化技術を軸として、液滴界面との相互作用挙動を自在に操る材料の設計を目指している。主に、液滴の付着現象や液滴同士の癒合現象、液滴の形成ダイナミクスを扱う。

まとめ

撥液性コーティング:防汚・防氷・防錆・抗菌・防曇コーティング・油水分離技術
液滴ハンドリング技術:マイクロリアクター・1細胞解析ツール・マイクロテンプレート
液体の構造化、液体を元にした新規機能性ソフトマテリアルの開拓にも挑戦している

この機能は所内限定です。
この機能は所内限定です。

▲ページトップへ移動