- TANG.Jie@nims.go.jp
- Address
- 305-0047 茨城県つくば市千現1-2-1 [アクセス]
研究内容
- Keywords
グラフェン、カーボンナノチューブ、単結晶ナノワイヤ、ナノ構造制御、蓄電材料、スーパーキャパシター、
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
公開特許出願
所属学会
日本物理学会, 日本高圧力学会
エネルギー・環境材料研究センター
先進低次元ナノ材料の探索・創製・応用
グラフェン,カーボンナノチューブ,冷陰極ナノ構造電子源,ナノ構造制御,蓄電材料,スーパーキャパシター
概要
環境・エネルギー物質科学への貢献を目的に、有用な特性をもつ新たなグラフェンなどの特異な原子配列をもつナノ物質の探索・合成を行っている。グラフェンシートや独自に創製したホウ化物、炭化物ナノワイヤーは、新規電池材料、キャパシター電極や高性能なナノ構造電子源となることを既に見出しており、これらを用いたスーパーキャパシターや高性能電子銃への実用化研究も並行して行っている。
新規性・独創性
● グラフェン剥離の単層化及び高密度グラフェン積層化の同時プロセス開発
● グラフェン複合材料による高エネルギー密度グラフェンスーパーキャパシタ開発
● 高輝度・高電流安定度・高分解能を実現できる次世代冷陰極ナノ構造電子源の開発
内容
グラフェンの特性を材料として十分に生かすためには、単層状態を保持することが必須である。これまでに、グラフェン自身の再付着の防止のため、カーボンナノチューブをスペーサーとする積層構造を開発した(左図(a))。そして、この積層構造化プロセスを用い、電解液の高浸透化が可能な電極膜を開発した(同(b))。更にグラフェン複合材料をポーラス構造化により、電極膜を多層化し、デバイスの容量を向上させたGSCの研究開発を進めている(同(c))。JST-ALCA等の国プロジェクトや地域イノベーション事業の援助によって、研究成果の実用化に向けて努力している。
我々はまた、世界で初めて作製に成功したホウ化物・炭化物単結晶ナノニードルによって次世代ナノ構造電子源の開発を進めており(右図)、民間企業との共同研究により高分解能電子顕微鏡での実証実験に成功し、現在実用化を目指している。
さらに、研究成果の社会への早急な普及のため、2017年にNIMS発ベンチャーを起業した。
まとめ
グラフェン複合材料及び希土類・炭化物化合物単結晶ナノ構造電子源は我々のイニシアチブで実用化されることが大いに期待される。国の競争的資金による支援を受けるとともに企業との共同研究も進め、現有の研究成果を実用的なものにするための努力をおこなっていく。また、NIMS発ベンチャーを起業しており、それを通して研究成果の社会普及に積極的に努めていく。今後、機構内外の研究者と幅広い共同研究、及び国際共同研究を行っていきたい。