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学生受け入れ中
研究内容
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- Akinobu Shibata, Yazid Madi, Kazuho Okada, Nobuhiro Tsuji, Jacques Besson. Mechanical and microstructural analysis on hydrogen-related fracture in a martensitic steel. International Journal of Hydrogen Energy. 44 [54] (2019) 29034-29046 10.1016/j.ijhydene.2019.09.097
- Akinobu Shibata, Yasunari Takeda, Nokeun Park, Lijia Zhao, Stefanus Harjo, Takuro Kawasaki, Wu Gong, Nobuhiro Tsuji. Nature of dynamic ferrite transformation revealed by in-situ neutron diffraction analysis during thermomechanical processing. Scripta Materialia. 165 (2019) 44-49 10.1016/j.scriptamat.2019.02.017
- A. Shibata, T. Furuhara, T. Maki. Interphase boundary structure and accommodation mechanism of lenticular martensite in Fe–Ni alloys. Acta Materialia. 58 [9] (2010) 3477-3492 10.1016/j.actamat.2010.02.022
会議録
- A. Shibata, N. Tsuchida, S. Harjo, T. Inoue, T. Kawasaki, W. Gong, Y. Kimura, R. Ueji. Deformation-Induced Martensitic Transformation at Tensile and Compressive Deformations of High-Carbon Bainitic Steel. International Symposium on New Developments in Advanced High-Strength Sheet Steels. (2023) 10.33313/298/030
口頭発表
- UEJI, Rintaro, Daisuke Sasaki, Ryusei Maeda, Akari Matsuyama, TSUZAKI, Kaneaki, SHIBATA, Akinobu. Sample Size Effect on the Impact Absorbed Energy in Carbon Steel with Different Microstructures. 3rd International Symposium on the Recent Developments in Plate Steels. 2024
- 伊東達矢, 小川 祐平, Gong Wu, 川崎卓郎, 柴田 曉伸, Harjo Stefanus. その場中性子回折によるSUS310Sの変形挙動に及ぼす固溶水素の影響の検討 . 第187回春季講演大会. 2024
- LI, Zehao, SASAKI, Taisuke, UEJI, Rintaro, KIMURA, Yuuji, SHIBATA, Akinobu, OHKUBO, Tadakatsu, HONO, Kazuhiro. Identifying strong hydrogen trapping site induced by deformation in pearlitic steels. TMS 2024 153rd Annual Meeting & Exhibition. 2024
その他の文献
- OKADA, Kazuho, SHIBATA, Akinobu, Wu Gong, 辻伸泰. Effect of Hydrogen on Evolution of Deformation Microstructure in 2Mn-0.1C Ferritic Steel. MLF Annual Report 2022. 2 (2024) 7-9 Open Access
- 柴田 曉伸, 竹田 泰成, Nokeun Park, Lijia Zhao, Stefanus Harjo, 川崎 卓郎, Wu Gong, 辻 伸泰. In-situ Neutron Diffraction Analysis on Dynamic Ferrite Transformation in Steels. MLF Annual Report 2019. (2021) 46-48
- 柴田 曉伸. 高強度マルテンサイト鋼における粒界き裂のマルチスケール3次元解析. 金属. 93 [11] (2023) 963-973
所属学会
日本鉄鋼協会, 日本金属学会, 日本機械学会
構造材料研究センター
鉄鋼材料の相変態と変形・破壊挙動
鉄鋼材料,マルテンサイト,ミクロ組織,水素脆性
概要
現在、鉄鋼材料に代表される構造用金属材料の高強度化へのニーズがますます増加している状況である.高強度・高延性・高破壊特性を実現した先進鉄鋼材料を開発・実用化していくためには、変形・破壊挙動 / ミクロ組織 / プロセスの相関を系統的に研究していくことが必要となる。そこで、相変態によるミクロ組織形成メカニズムや変形・破壊挙動(特に水素脆性などの脆性破壊)とミクロ組織の相関について研究している。そして、高強度・高延性・高破壊特性を実現した鉄鋼材料を開発するための合金設計指針・ミクロ組織設計指針を理論的な背景から提案することを目指している。
新規性・独創性
● 高強度鉄鋼材料のミクロ組織形成メカニズム解明
● 3次元マルチスケール解析による破壊挙動解析
● 水素脆性破壊を抑制した高強度鉄鋼材料開発のための材料設計概念の提唱
内容
「水素脆性」とは材料中に水素が侵入することによって、材料が著しく脆化する現象である。現在、開発が進んでいる引張強度1.5 GPaを超える自動車用高強度鋼板を幅広く社会実装化していく上で最も大きな問題となるのが水素脆性であり、耐水素脆性に優れた材料開発を行っていくためには、水素脆性における破壊素過程や力学特性変化を的確に理解することが重要である。そこで、高強度マルテンサイト鋼の水素脆性粒界クラックを対象として研究を行った。まず高強度鋼の基地組織であるマルテンサイト組織を集束イオンビーム加工 (FIB) – 走査型電子顕微鏡 (SEM) シリアルセクショニング観察および透過型電子顕微鏡 (TEM) により晶癖面方位や転位組織などの内部微視組織を精密に解析し、変態後の室温までの冷却中に動的な内部微視組織変化や界面方位変化が生じていることなどを明らかにした。そして、X線コンピュータートモグラフィやFIB – SEMシリアルセクショニングを用いて高強度マルテンサイト鋼の水素脆性粒界クラック伝播挙動を解析し、粒界クラックは非破壊リガメントを形成しながら不連続に伝播しており、方位差が小さい粒界セグメントにおいてクラック伝播が停止するといった破壊メカニズムを解明した。この小角粒界セグメントにてクラック伝播の局所的な停止が巨視的な力学特性に大きな影響をおよぼしていると考えられる。
まとめ
鉄鋼材料におけるマルテンサイト組織の形成メカニズムや水素脆性破壊メカニズムを明らかにし、水素脆性破壊を抑制するための材料設計概念を提唱した。これらの成果は、耐水素脆性特性に優れた材料開発に繋がると期待される。