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- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
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学生受け入れ中
外部併任先
- 北海道大学 大学院総合化学院 客員教授
研究内容
- Keywords
電気細菌、電気化学、微生物燃料電池、微生物鉄腐食、外膜シトクロム酵素
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
所属学会
The International Society for Microbial Electrochemistry and Technology, 日本化学会, 日本生物物理学会, 日本微生物生態学会, 日本電気化学会
受賞履歴
- 文部科学大臣表彰 若手研究者賞 (2018)
- 工学研究顕彰賞(一般財団法人総合研究奨励会) (2016)
- 日本生物物理学会・若手奨励賞 (2014)
- 優秀講演賞(学術)第94回日本化学会年会 (2014)
- 井上研究奨励賞(井上科学振興財団) (2013)
外部資金獲得履歴
- 発酵代謝を加速する電極触媒細菌のハイブリッド呼吸の分子機構解明と制御 (2017)
- 発現マッピング法による細菌叢電気相互作用の追跡と制御基盤の構築 (2016)
高分子・バイオ材料研究センター
材料と電気細菌の相互作用解明と一般細菌制御技術の開拓
鉄腐食細菌,歯周病細菌,腸内細菌,微生物発電,有害細菌センサー,殺菌技術
概要
細胞の状態を精緻に捉えることや、制御することは、基礎科学にとどまらず、エネルギー・環境や医療分野においても本質的な重要性を有する。しかし、ありのままの細胞の状態へアプローチする方法は、依然限られている。実は多くの細菌が、導電性ナノ粒子やレドックス小分子、膜酵素といった多様なメカニズムで、細胞外にある鉱物との電子のやり取りをする「電気細菌」であることが近年明らかになってきた。この電気細菌の持つ仕組みを理解・模倣することで、細胞内へ非侵襲にアクセスする物質・技術を開発し、革新的な殺菌や診断技術、微生物腐食のオンサイト検査技術等の創成へと繋げる。
新規性・独創性
● 電気化学による細菌代謝活性のin vivo追跡技術
● ハイスループット電気化学によるバイオ材料の高速スクリーニング技術の開発
● 機械学習・ベイズ最適化による酸化還元分子・バイオ材料の能動的学習と探索手法
● 電気化学を用いた細胞内浸透圧の制御技術の確立
● 細菌由来微粒子のDNA解読技術の確立とそれを利用した診断技術の開発
内容
微生物電気化学は、材料化学、微生物学、電気化学を含む分野横断性を持つ研究分野である。電気細菌の発電能力の向上や、鉄腐食細菌や病原細菌を環境サンプルから高感度に電気化学検出するための薬剤やナノ材料の探索を行うためには、測定スループットの低さが長年のボトルネックであった。そこで、従来の100倍以上のアウトプットが可能な当測定系を用いることで、高速に条件検討やデータベースの作成が可能になり、ベイズ最適化といったデータ駆動的な解析手法を組み合わせることに成功した。さらに、この発明は基礎科学の研究も加速し、電気化学による新殺菌原理の発見、その大幅な効率化へと繋がった。本技術は殺菌に加えて、治療技術へも展開できることが期待される。多様な用途での応用が期待でき、数百億ドルといった大型の市場も視野に入る。
まとめ
● 微生物電気化学測定のハイスループット化と物質探索基盤技術の確立
● 微生物発電、有害細菌の検出、新原理殺菌技術
● 殺菌技術を治療法として利用するために、人体への安全性の検討
● 毒性の低い薬剤による高い殺菌効率の実現
● 既存技術に対する高い安全性の証明