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Research

Keywords

相転移、非平衡現象、スピン、電子状態、磁場、光、メモリーデバイス

PublicationsNIMS affiliated publications since 2004.

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      Misc

        Society memberships

        日本物理学会, 日本化学会, 日本磁気学会

        Research Center for Materials Nanoarchitectonics (MANA)
        Title

        ミクロな相互作用のモデル化と理論・計算手法の開発

        Keywords

        磁性,相転移・臨界現象,統計力学,モンテカルロ法(古典・量子),マスター方程式,分子動力学,厳密対角化

        Overview

        磁場、光、圧力、温度など様々な外部刺激に応答して状態変化する、双安定性や多重安定性を持つ機能性物質の物性解明は、スイッチングデバイスの基礎研究として新規材料創生に重要なテーマである。機能発現に本質的な相互作用の微視的モデルを構築し、理論、計算方法の開発を行なうことによりその機構の解明を進めている。また、様々な電子デバイスを支える高性能永久磁石の開発も重要なテーマである。原子論に基づく新しい磁石の理論研究により、高保磁力磁石の実現やスピントロニクス応用を目指した研究も行なっている。

        Novelty and originality

        磁性、弾性、誘電性等に関わる短距離および長距離の相互作用の相乗や競合により発現する新しい相(熱平衡および準安定)の発見
        巨視的核生成など新しいダイナミクスの発見
        新しい永久磁石の理論研究(従来のマイクロマグネティクス計算では不可能な微視的方法論)
        新しい計算手法、アルゴリズムの開発(長距離力の高速計算など)

        Details

        image

        電子・スピンと格子が強く相互作用する系において、ある条件で磁性や構造のマルチステップ相転移が起こることを示した。弾性的長距離相互作用が強い場合、相図に異常な角(つの)型構造が現れ、さらに、核生成過程が巨視的(size-independent)になることなど、非自明な協力現象が起こることを見いだした。これらの現象は、相の安定・準安定性に相関しており、異なる相の間のスイッチングデバイス応用へ有用な知見を与える。
        原子論を基礎にして、第一原理計算を用いて微視的な磁気相互作用をモデル化し、熱揺らぎを扱うダイナミクスの計算法を開発してネオジム(Nd)磁石(粒)の磁化反転解析を行ない、シミュレーションによる保磁力評価法を示した。さらに、ジスプロシウム(Dy)置換による保磁力増強効果の機構を、NdとDyの結晶電場エネルギーの温度依存性の相違を示すなど微視的解析から明らかにした。高保磁力の新規磁石の微視的設計にそれらの知見を生かすことができる。
        量子効果により格子の不均一性(不純物)で局所磁化が誘起されること、さらに各局所磁化は単一スピンと異なる動的性質を持っていることを発見したが、この局所磁化は新たなスピン素子の可能性を秘めている。

        Summary

        電子・スピンと格子が強く相互作用する系では、非自明な熱力学的安定・準安定相やダイナミクス現象が現れることを示した。原子論を基礎にした新しい永久磁石研究は、保磁力の微視的起源に迫る方法論として有効である。量子効果により発現する局所磁化などの研究は量子デバイス応用の基礎となる。これらの基礎研究は、新規情報ストレージやセンサー開発の応用研究につながる。

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