SAMURAI - NIMS Researchers Database

HOME > プロフィール > 新倉 ちさと

研究内容

Keywords

薄膜Si、太陽電池、プラズマプロセシング

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      応用物理学会, 日本太陽光発電学会

      高分子・バイオ材料研究センター
      タイトル

      多接合太陽電池のための機能性新材料の開発

      キーワード

      太陽電池,薄膜,CVD,シリコン,光マネジメント,プリンテッドエレクトロニクス

      概要

      カーボンニュートラルの実現に向けた再生可能エネルギー主力電源化のために、現状のシリコン(Si)単接合太陽電池を超える超高効率太陽電池が求められている。 その候補である “Si太陽電池(ボトムセル)をワイドギャップ材料の太陽電池(トップセル)と組み合わせて広い波長域の光を利用する多接合太陽電池”の実現のための材料研究を幅広く行っている。例えば、トップセル候補として有望なペロブスカイト太陽電池について、有害な鉛(Pb)の代替として錫(Sn)を使用した太陽電池の高効率化に有効な光閉じ込めの検討等を行っている。長期信頼性に優れた環境にやさしいトップセル用新材料の検討等も行い、高効率多接合太陽電池の実現を目指している。

      新規性・独創性

      プリンテッドエレクトロニクス技術を活用した高ヘイズ・スムースTCO基板によるPbフリーペロブスカイト太陽電池の光閉じ込め
      プリンテッドエレクトロニクス技術を活用したTCO基板を用いた軽量・フレキシブル太陽電池
      CVD法によるシリコン低温エピタキシャル成長技術を応用したワイドギャップ新材料開発

      内容

      image

      Siボトムセルにエネルギーバンドギャップ(Eg)がワイドな材料のトップセルを組み合わせる、Siベース多接合太陽電池の概要を図に示す。トップセル候補として期待されるペロブスカイト太陽電池(PSC)は、Pbによる環境負荷、屋外長期耐久性等の問題がある。研究が進められているPbフリーPSCは、キャリア拡散長が短く光吸収層を厚くできないため、光を十分に吸収できず、エネルギー変換効率が低い。このPbフリーPSCの高効率化のための光閉じ込め技術の開発を行っている。
      スタンダードな膜厚のPbを用いたPSCを、光散乱効果の高い(高ヘイズ)表面テクスチャー付の透明導電膜(TCO)基板上に作製したところ、短絡電流密度が向上する結果が得られ、反射率測定から、基板テクスチャーによる入射光の反射防止に起因することが示された。今後は、まず、単接合の薄いPbフリーPSCに対して、入射光の反射防止、光吸収層内における光路長の増大、裏面からの反射光の閉じ込め等の光マネジメントを適用し、光吸収量・短絡電流密度の増大による効率向上を目指す。高ヘイズでありながらラフネスが小さく表面上に高品質膜形成が可能なTCO基板の開発を、プリンテッドエレクトロニクス技術等を活用して行い、Sn等を使用するPbフリーPSCへの適用を進める。
      さらに、リスクヘッジとして、長期信頼性・環境負荷等の課題を有するペロブスカイトに替わるトップセル用ワイドギャップ新材料の検討・開発も、触媒化学気相成長(Cat-CVD)法やフローティングゾーン法等の幅広い手法を用いて行っている。

      まとめ

      光マネジメント技術により、Sn等を用いるPbフリーペロブスカイト太陽電池の効率向上が期待できる
      プリンテッドエレクトロニクス技術の活用による軽量・フレキシブル太陽電池用TCO基板の開発が期待できる
      Siベース多接合太陽電池のトップセル用ワイドギャップ新材料の検討・開発をリスクヘッジとして行っている

      この機能は所内限定です。
      この機能は所内限定です。

      ▲ページトップへ移動