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Research

Keywords

酸化セリウムナノ粒子、細胞機能制御、細胞接着

Society memberships

European Society for Biomaterials, Society for Biomaterials

Awards

  • The Tenth International Nanotechnology Conference on Communication and Cooperation (INC 10) Poster Award (2014) ()
Research Center for Macromolecules and Biomaterials
Title

細胞機能を誘導する生体無機ナノ材料

Keywords

酸化セリウム,ナノザイム,生体足場材料,幹細胞/がん組織由来細胞,細胞増殖

Overview

高齢化社会に伴い医療費負担の増大が問題となる中、安全かつ低コストで治療効果の高い生体医療材料の開発が求められている。これまでに、いくつかの無機ナノ材料において、酵素活性をもつものが見出されている。しかし、これらの材料の物理化学的特性がもたらす相互作用や細胞機能への影響については、未だ不明な点も多い。そこで、ナノ材料が細胞外からもたらす細胞挙動への影響に着目し、そのメカニズムの解明に挑むことにより、細胞機能を誘導する新たな生体無機ナノ材料の創製を目指す。

Novelty and originality

無機ナノ材料の細胞外シグナルによる機能誘導
酸化セリウムの非Redoxのメカニズム探索
無機ナノ材料における金属イオンの安定化

Details

image

優れた触媒機能をもつ酸化セリウムナノ材料は、その酸化還元(Redox)反応を生かし、生体医療分野に向けた研究が進められている。
この材料は、細胞内にて、Redox反応によって複数の酵素(例えば、スーパーオキシドジスムターゼやカタラーゼ)を模した疑似酵素として働き、抗酸化効果を発現できる。そのため、人工酵素(ナノザイム)としての利用が期待されている。これまでに、Ce3+イオンの安定化や面方位制御などにより、疑似酵素作用の高効率化やスイッチング効果を見出してきた。さらに、この材料は、細胞外において、セリウム特有の価数の違いにより接着細胞の増殖挙動を大きく変化させることを可能にした。このような特性は、組織工学や再生医療における生体足場材料の表面修飾にもちいることにより、より複雑な3D人工組織の設計やがん細胞の増殖抑制に役立つと期待される。今後、このメカニズムの探索により、酸化セリウムのRedox以外の新たな機構が明らかになれば、治療効果を向上できる革新的な生体無機ナノ材料の創製につながるものと期待される。

Summary

酸化セリウムナノ材料をもちいて、疑似酵素作用の高効率化/スイッチング効果や、セリウム価数の違いによる細胞増殖への影響について明らかにした。前者は、Redox反応が関わるが、後者は、Redox以外のメカニズムが関わる可能性がある。細胞機能に対する酸化セリウムの新たなメカニズムの理解が進めば、組織工学や治療応用に向けた革新的な生体無機ナノ材料の開発に展開できると期待される。

この機能は所内限定です。
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