SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

燃料電池 / 合成、マイクロアナリシス及び計算の融合/ 最先端 IT-SOFC/ 高性能PEFC/ 界面設計/ グリーン・イノベーション

創る(合成)、観る(マイクロアナリシス)及び考える(計算)を融合した燃料電池材料研究

                                                                          国際・広報部門学術連携室 NIMS特別専門職 / NIMS 名誉研究員
   燃料電池は、水素と酸素から電気を生みだすクリーンで効率の高い発電デバイスです。現在では、中温域動作固体酸化物燃料電池(IT-SOFC)と、高分子形燃料電池(PEFC)の研究が盛んに行われていますが、従来のIT-SOFCやPEFCの性能の限界を超える最先端IT-SOFC高性能PEFCの研究開発に注目があつまっています。

   こうした最先端IT-SOFC高性能PEFCでは、従来型IT-SOFCやPEFCにはない、高い性能、優れた環境低負荷性および、良好な性能安定性などが求められます。そうした高い要求水準を満たすIT-SOFCやPEFCを作製するために、私たちは、実際に作製したIT-SOFCデバイスやPEFCデバイス内界面構造の微細構造観察(マイクロアナリシス)結果に基づいたモデリング<バルク・表面の格子静力学計算(経験的ポテンシャルを使用)や表面第一原理シミュレーション(擬ポテンシャルを使用)>を実施することで、実際のデバイスの微細構造解析結果の合理的な解釈となるモデルが、私たちに指し示す、本来作製するべき、活性な界面を燃料電池デバイス内に創り込む研究に取り組んでいます。その中で、私たちのモデルが妥当なものであったなら、かならずや、デバイス内に創り込んだ界面は、従来型のデバイス内界面にはない、高い性能を示すはずです。これが確認できた後、私たちはさらに、高度なマイクロアナリシス(オペランド・マイクロアナリシス)結果にもとずく、より高精度でありかつ燃料電池の社会実装のうえで役立つモデリングの実施を企業研究開発者と計画しています。こうした段階的な取り組みを行うことによって、基礎研究セクター、開発セクター及び投資家の活動も一体化した活力ある研究開発が可能になると考えています。 そして、その先にかならずや、不連続な技術革新(ラジカル・イノベーション)が、環境保全・環境低負荷分野において実現する(グリーン・イノベーションとも呼ばれる)ことではじめて達成される、持続可能社会形成が、現実のものとなると、強く期待しています。

   私たちのこうした取り組みは、現在世界中でその利用が検討されている、人工知能と大規模データベースを組み合わせても見いだせない(大規模データベース内の“空集合”に)、新たなデータをインプットすることになるでしょう。その後、人工知能と大規模データベースは、新たなスタイルのニューラルネットワークを活用した、ディープ・ラーニングを開始することになると期待されます。以上のように、私たちの提案する創る(合成)、観る(マイクロアナリシス)及び考える(計算)を融合した燃料電池材料研究は、今後の燃料電池部分野におけるR & Dを、これまで以上に加速させる効果をもつと期待しています。

公表文献実績;
   論文、総説、解説の公表実績はGoogle scholar,Scopus ID ( in ORCID ID )及びresearcherIDをご参照ください。(本ページ向かって左に、それらのバナーが表示されています。)
あわせて『おすすめ最新公表文献情報 2024年度』もご参照ください。
  我々の最先端IT-SOFC研究の詳細がこのおすすめ文献情報でお読みいただけます。この機会にぜひ、ご一読ください。
補足情報 1;既報のなかから、'今週のおすすめ論文< 10月14日から10月20日>'をお知らせすることにしました。あわせて、ご参照いただければ幸いです。

補足情報 2;
森 利之の国立研究所(旧科学技術庁 無機材質研究所(NIRIM)及び国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS))在職中(1997年~2021年)の研究業績分析データは以下のとおり。
・Field-Weighted Citation Impact(FWCI)(SCiVal分析で使用されている指標):    1.58
 この分析指標では、世界平均は1.0。
・Category Normalized Citation Impact (CNCI)(InCites分析で使用されている指標): 1.57
 この分析指標では、グローバル基準値は1.0。

  さらに、Research.comの「材料科学分野の優れた研究者ランキング」において、研究者名:Toshiyuki MORI(National Institute for Materials Science、日本)は、日本国内の大学・研究機関に所属している研究者を対象にした業績ランキングで2022年版(NIMSを60歳で定年になった年(2021年3月)の翌年)と2024年版に以下のランキングに位置された。
2022年版(2022年12月21日集計)Research.com 2nd edition:このランキングに登録された研究者675名(D-index 40以上で登録)中119位にランクイン。D-indexは70と報告された。
2024年版(2023年11月21日集計)Research.com 3rd edition :このランキングに登録された研究者710名(D-index 40以上で登録)中140位にランクイン。D-indexは70と報告された。

  くわえて、Research.comの「化学分野の優れた研究者ランキンググ」において、日本国内の大学・研究機関に所属している研究者を対象にした業績ランキングで2022年版(NIMSを60歳で定年になった年(2021年3月)の翌年)と2024年版に以下のランキングに位置された。
2022年版(2022年12月21日集計)Research.com 2nd edition :このランキングに登録された研究者1,226名(D-index 40以上で登録)中219位にランクイン。D-indexは70と報告された。
2024年版(2023年11月21日集計)Research.com 3rd edition :このランキングに登録された研究者1,264名(D-index 40以上で登録)中257位にランクイン。D-indexは70と報告された。

 

researchPicture

Fig. Schematic diagram showing how to conduct the NIMS fuel cell materials research that fuses the fabrication, microanalysis, and theoretical analysis.

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

論文
書籍

所属学会

日本マテリアルリサーチソサエティー、 日本セラミックス協会、 日本化学会、固体イオニクス、

受賞履歴

  • 第12回 固体イオニクス学会 アジア会議最優秀ポスター発表表彰 (5月6日) 受賞発表:“Dislocation associated incubational domain formation in lightly gadolinium-doped ceria” 受賞者:Zhipeng Li, 森 利之, Fei Ye, DingRong Ou, Jin Zou, John Drennan (2010)
  • IUMRS (ICMAT2007)最優秀ポスター発表表彰 (7月6日)受賞発表:“Study of Rh doped SnO2 nano-catalyst for low temperature CO oxidation” 受賞者:Petr Hanys, 森 利之, 高橋 基,Vladimir Nehasil, and Vladimir Matolin (2007)
  • SSI(第16回固体イオニクス学会国際会議)最優秀ポスター発表表彰 (7月6日) 受賞発表:“Intreganular segregation of dopant cations and ordering of oxygen vacancies in gadolinium doped ceria”受賞者:Fei Ye, 森 利之, Ding Rong Ou, Jin Zou, and John Drennan (2007)
  • IUMRS (第7回エコマテリアル国際会議)最優秀ポスター発表表彰 (7月6日) 受賞発表:“Oxide supported Pd catalyst for low temperature catalytic CO oxidation” 受賞者:Libor Sedlacek, 森 利之, 高橋 基, Iva Matolinova, and Vladimir Matolin (2005)
  • 注目発明表彰(文部科学省)(水質浄化触媒及びその製造方法, 4月) (受賞者: 森 利之, 藤本憲二郎, 渡辺 遵) (2001)
  • Australia Academy of Science Award (August) (受賞者: 森 利之) (1999)

外部資金獲得履歴

  • 日本学術振興会 外国人招聘研究者(短期)Professor San ping JIANG, Curtin University (Australia) , 招聘研究課題名:’高性能エネルギーデバイス内機能界面設計’, (日本側受け入れ研究者) (2019)
  • 日本学術振興会 二国間交流事業 平成30年度採用オープンパ―トナーシップ共同研究 (相手国:オーストラリア)、 日本側メンバー機関:名古屋大学・国立鶴岡高専、豪州側メンバー機関:The University of Newcastle (professor A.Vinu (相手国代表), The University of Queensland, Curtin University) (代表者) 2018年4月から2年間 (2018)
  • 日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究経費:500万円(平成28年度), 700万円(平成29年度), (平成30年度未定)  研究課題名:超微少量白金元素とナノ組織制御技術を活用した革新的高性能グリーン発電デバイス設計 (代表者)3年間 (2016)
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 (特別研究員奨励費) (外国人特別研究員(一般) Andrii Rednyk博士研究員日本側受け入れ者に対する研究奨励費) :60万円(2016年度)、110万円(2017年度)、50万円(見込み、2018年度) (2016)
  • 日本学術振興会 科学研究費助成事業 (特別研究員奨励費) (外国人特別研究員(一般) Bretislav Smid博士研究員日本側受け入れ者に対する研究奨励費):220万円  (2013)
  • 日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究経費:1170万円 研究課題名:原子力発電依存低下に資するナノヘテロ組織構造制御による発電・畜電デバイスの設計 (代表者) 2年間 (2013)
  • 日本学術振興会 二国間交流事業 平成24年度採用オーストラリアとの共同研究(ARC)  研究経費:247.5万円(2012年度)、 210万円(2013年度) 研究課題名:分散型電源用酸化物形燃料電池―固体酸化物形電解セルツインデバイス内微細構造解析 (代表者) 2年間 (2012)
  • 日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(B) 研究経費:720万円 研究課題名:二酸化炭素排出削減に資するナノヘテロ組織構造制御による家庭用燃料電池デバイスの設計 (代表者)3年間 (2011)
  • 日本学術振興会 研究助成事業 「最先端研究開発戦略的強化費補助金 頭脳循環を活性化する若手研究者海外派遣プログラム」 研究経費:600万円(平成22年度から平成23年度 若手研究員(金 済徳)在外研究派遣旅費をのぞく研究費、 研究代表者:魚崎浩平) 課題名:中温型燃料電池用新規無加湿電解質に関する研究 分担者 (2010)
  • 日本学術振興会 二国間交流事業 平成21年度採用オーストラリアとの共同研究(ARC) 研究経費:495万円 研究課題名:量子ビーム活用薄膜固体酸化物燃料電池デバイスの開発 (代表者) 2年間 (2009)
  • 委託研究事業 (文部科学省) 「ナノテクノロジーを活用した環境技術開発プログラム、課題名:界面現象の理解と制御による環境エネルギー技術革新材料拠点 (略称:ナノ材料科学環境拠点, 代表者:潮田資勝物質・材料研究機構長(2012年度まで)、2013年度からは魚崎浩平拠点長」 研究経費:合計:3620万円(2009年度から2012年度)、合計:2400万円(2013年度から2018年度現在) 分担者 (2009)
  • JST アジア科学技術協力の戦略的推進事業委託研究 委託研究経費:合計 9,000万円 研究課題名:燃料電池用新規ナノ構造化触媒材料の開発、(3年間) 研究代表者:Dr. Ajayan VINU、分担者として参加 (2008)
  • 日本学術振興会 科学研究費補助金  基盤研究(B) 研究経費:1570万円  研究課題名:低温稼働SOFC用ナノ構造化薄膜セリア系固体電解質の作成と評価 代表 3年間 (2007)
  • 日本学術振興会 科学研究費補助金 特定領域研究 ‘ナノイオニクス(439)’第2期 研究経費:1400万円, 研究課題名:ナノイオニクスバルク体の創製に関する研究 (領域代表:山口 周) 計画研究班代表 2年間 (2007)
  • 日本学術振興会 二国間交流事業 平成19年度採用オーストラリアとの共同研究(ARC) 研究経費:410万円 研究課題名:ナノ組織・構造制御による次世代燃料電池デバイスの設計・性能評価 (代表者)2年間 (2007)
  • 日本学術振興会 科学研究費補助金  萌芽研究 研究経費:340万円  研究課題名:ダイレクトメタノール形燃 料電池用ナノヘテロ界面制御Pt-CeO2 電 極の合成と評価 (代表者)2年間 (2007)
  • 日本学術振興会(特別研究員奨励費) (外国人特別研究員(一般) Ding Rong Ou 博士研究員日本側受け入れ者に対する 研究奨励費):220万円 2年間 (2007)
  • 日本学術振興会 二国間交流事業 平成17年度採用オーストラリアとの共同研究(ARC) 研究経費:450万円 研究課題名:マイクロ燃料電池用ナノ固体電解質、ナノ電極材料及びナノ触媒合成とそのナノ構造解析 (代表者)2年間 (2005)
  • 日本学術振興会(特別研究員奨励費) (外国人特別研究員(一般) Richard Buchannan博士研究員日本側受け入れ者 に対する研究奨励費):220万円 2年間 (2005)
  • 日本学術振興会 (特別研究員奨励 費)(外国人特別研究員(短期) Richard Buchannan博士研究員日本側受け入れ者 に対する研究奨励費):110万円 (受け入れ責任者) (2004)
  • 日本学術振興会 (特別研究員奨励 費)(外国人特別研究員(一般) Fei Ye博士 研究員日本側受け入れ者に対する研究奨 励費):220万円 (受け入れ責任者)2年間 (2004)
  • 日本学術振興会 科学研究費補助金 特定領域研究 ‘ナノイオニクス(439)’第1期 研究経費:2200万円 研究課題名:ナノイオニクスバルク体の創製に関する研究 (領域代表:山口 周) 計画研究班代表者 4年間 (2004)
  • 日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(C) 研究経費:370万円  研究課題名:酸化物固体電解質ナノ粉末の合成及びイオン伝導特性と焼結体微細構造の相関性評価 (代表)4年間 (2003)
  • 日本学術振興会 二国間交流事業 平成15年度採用オーストラリアとの共同研究(ARC) 研究経費:540万円 研究課題名:燃料電池用酸化物固体電解質内のナノ構造解析 (代表)2年間 (2003)
  • 日本学術振興会 (特別研究員奨励費)(外国人特別研究員(一般) William A. McPhee博士 研究員日本側受け入れ者に対する研究奨励費):110万円(受け入れ責任者)1年間 (2003)
  • 文部科学省 科学技術国際協力の総合的推進「専門家の招へい」経費:56万7千円、招聘者:John Drennan教授, University of Queensland(オーストラリア)、招聘研究課題名:固体電解質中のナノ構造精密構造解析 (受け入れ責任者) (2003)
  • 池谷財団 調査研究助成 研究経費:50万円「調査研究課題名:先端機能材料開発研究動向調査」(代表) (2003)
  • 文部科学省 科学技術国際協力の総合的推進「専門家の招へい」経費:82万6千円、招聘者:Alastair N. Cormack教授 Alfred University (米国)、招聘研究課題名:固体電解質中のナノ構造とイオン伝導特性に関する理論的解析 (受け入れ責任者) (2003)
  • 日本学術振興会 研究助成事業 日英二国間国際ワークショップ開催 助成経費:200万円 開催国際ワークショップ名:“International Workshop on Nano-science for Energy and Environmental Application between UK and Japan” (代表) (2003)
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