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        Research Center for Macromolecules and Biomaterials
        Title

        がんの免疫療法、化学療法及び複合療法のためのバイオ材料

        Keywords

        がん免疫療法,がんワクチン,アジュバント,化学療法,ドラッグデリバリーシステム(DDS),複合療法,相乗効果

        Overview

        従来のがん治療は手術療法、化学療法、放射線療法が主体である。しかし、手術療法は早期がんに限られており、化学療法や放射線療法は有効用量•線量と副作用の矛盾、再発•転移等の問題を抱えている。近年、がん免疫療法が抗がん免疫を活性化すること(がんワクチンなど)や負の免疫調節を阻害すること(免疫チェックポイント阻害剤)から、がん治療だけでなく再発や遠隔転移を防ぐ、第4の治療法として脚光を浴びている。しかし、奏効率が低い、費用が高いという問題が残っている。ここでは、腫瘍の特徴に応じて設計されたバイオ材料を用いて、効果的かつ低コストで行えるがん治療法の実現を目指す。

        Novelty and originality

        材料を担体として利用するだけでなく、材料自体の組成特性を最大限に活用する。
        がん免疫アジュバントを設計•オーダーメイドする。
        ナノ構造、組成、表面修飾等を制御することで、標的細胞や臓器、生分解性等を調整することができる。
        材料を媒体として使用して、異なるがん治療法の相乗効果を達成する。
        実際のニーズに応じて個別化複合がん免疫療法のためのバイオ材料バンクを開発する。

        Details

        image

        1). がん化学療法用DDSの開発: ホウ素含有化合物は、がん細胞の増殖を抑制するため、がんの化学予防及び治療薬として期待される。しかし、可溶性ホウ素化合物 (ホウ酸BA等) の全身への投与は、その半減期の短さと有効性の低さによって阻まれている。我々は、中空構造を有する窒化ホウ素ナノ粒子を設計•合成し、結晶化度とホウ素放出速度を制御した。そして、最適化した窒化ホウ素中空ナノ粒子の顕著な腫瘍抑制効果を動物実験で確認した。
        2). がん免疫療法におけるアジュバントの開発: アジュバントは抗原に対する免疫応答を増強させることができる物質である。我々は、構築した一連の細胞レベル、動物レベルの評価系を通じて、自ら合成した成分•粒径•形状•多孔質構造等の異なる複数の無機、有機或は複合アジュバント材料を網羅的に評価し、組成•構造制御と抗腫瘍免疫応答の関連性を解明した。開発されたアジュバントとモデル抗原或は腫瘍由来のがん抗原を同時投与することで、優れたがん再発予防効果を有することを実証した。
        3). 複合がん免疫療法用バイオ材料の開発: バイオ材料を媒体として使用し、異なるがん治療法を組み合わせることで複合がん治療法の開発を行った。例えば、バイオ材料を利用してがん抗原と免疫チェックポイント阻害剤を送達し、がんワクチンと免疫チェックポイント阻害剤の相乗効果を生み出す。また、バイオ材料が抗がん剤の薬物送達システムであると同時にin situがんワクチンのアジュバントとして機能し、化学療法と免疫療法の相乗効果を生み出すことで、治療された腫瘍増殖を阻害するだけでなく、未治療の遠隔腫瘍を抑制できることを動物実験で実証した。

        Summary

        ナノスケールで新たなバイオ材料を創造し、空間内で薬物、がん抗原或は免疫チェックポイント阻害剤等を高度に集積化させることで、相乗的融合を実現させることを目指す。よって、がん治療法のコストを削減し、奏効率の改善、及びがん再発や遠隔転移を防ぐとともに、副作用を抑えることが期待される。

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