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研究内容
- Keywords
固体電池、イオンダイナミクス、NMR、TOF-SIMS、薄膜電池
研究概要:
固体電池イオニクスグループは、カーボンニュートラル実現に向けて、長寿命で安全な固体電池の開発を目指しています。そのために、固体電池材料の内部や界面におけるイオン輸送の仕組みを解明し、学理に基づく設計指針を確立することに取り組んでいます。さらに、NMRやTOF-SIMS、オペランド解析による独自の実験手法を駆使してイオン挙動を可視化し、新たな固体電池材料の開発にも取り組んでいます。学生募集:
北海道大学-NIMS連携大学院の博士課程の入学希望者を募集しています。NIMSジュニア研究員制度による賃金の支給があります。社会人博士も受け入れています。Figure 1: 固体電池におけるリチウム拡散の時間・空間スケールを示す模式図。粒界やドメインなど多様な構造が存在するため、複数の手法を組み合わせたイオンダイナミクス解析が求められる。
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
論文
- Naoaki Kuwata, Gen Hasegawa, Sihao Xing, Kenjiro Hashi, Yoshitaka Matsushita, Randy Jalem, Kazunori Takada, Hitoshi Onodera, Shuhei Yoshida. Fast lithium-ion diffusion in pyrochlore-type oxyfluoride Li1.25La0.58Nb2O6F. Solid State Ionics. 428 (2025) 116924 10.1016/j.ssi.2025.116924 Open Access
- Gen Hasegawa, Naoaki Kuwata, Tsuyoshi Ohnishi, Kazunori Takada. Visualization and evaluation of lithium diffusion at grain boundaries in Li0.29La0.57TiO3 solid electrolytes using secondary ion mass spectrometry. Journal of Materials Chemistry A. 12 [2] (2024) 731-738 10.1039/d3ta05012b Open Access
- Daisuke Ito, Naoaki Kuwata, Seiji Takemoto, Kazuhiro Kamiguchi, Gen Hasegawa, Kazunori Takada. Lattice-matched antiperovskite-perovskite system toward all-solid-state batteries. Nature Communications. 16 [1] (2025) 7372 10.1038/s41467-025-62860-1 Open Access
書籍
- KUWATA, Naoaki, HASEGAWA, Gen. Chapter 24 Pulsed Field Gradient Nuclear Magnetic Resonance Measurement of Lithium Diffusion in Solid Electrolytes. Interface Ionics For All-Solid-State Batteries and Solid State Ionics Devices. Springer Singapore, 2024, 12.
- 桑田 直明. 第 4 編 第 6 章 第 6 節 二次電池. (株)エヌ・ティー・エス, 2020
- 桑田 直明, 河村純一. 二次イオン質量分析法による固体電池材料のリチウム拡散係数測定. (株)技術情報協会, 2020
口頭発表
- KUWATA, Naoaki, HASEGAWA, Gen. Lithium Diffusion in Perovskite-Type Solid Electrolytes Revealed by PFG-NMR. 24th International Conference on Solid State Ionics. 2024
- 桑田 直明. 多結晶LLTO固体電解質のマルチスケール拡散係数測定. 第34回 日本MRS年次大会. 2024 招待講演
- 桑田 直明. 全固体電池材料のリチウムイオン拡散:NMRとSIMSでイオンの動きを明らかにする. 化学系学協会北海道支部2025年冬季研究発表会. 2025 招待講演
その他の文献
- 桑田 直明, 長谷川 源. 固体電解質のバルクと粒界拡散 ─NMRとSIMSによる解析─. CERAMICS JAPAN. 59 [10] (2024) 671-674 Open Access
- 桑田 直明, 長谷川 源. 全固体電池材料における粒界拡散を定量化する新しい手法. 月刊機能材料. 44 [9] (2024) 43-48
- 桑田 直明, 長谷川 源. その場ラマン分光法による薄膜全固体電池の構造と イオンダイナミクスの解析. WEB Journal. 2月号 (2023) 17-22
所属学会
日本固体イオニクス学会, 日本物理学会, 電気化学会
エネルギー・環境材料研究センター
固体電池材料のマルチスケール解析
リチウムイオン電池,薄膜電池,拡散係数,NMR,TOF-SIMS
概要
リチウムイオン電池等の電気化学デバイスは、固体中をイオンが拡散することで動作することができる。固体電解質を利用した固体電池の開発が世界的に活発に行われており、固体内および固体/固体界面の拡散係数やイオンダイナミクスを解析する手法が求められている。私たちは、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)や核磁気共鳴(NMR)を利用して精密なリチウム拡散係数の解析を行う技術開発を進めており、固体電池材料に応用している。さらに、薄膜電池や焼結電池をモデルとしたその場解析技術により、固体電池の充放電機構を研究している。
新規性・独創性
● 同位体拡散とTOF-SIMSによる正極活物質・固体電解質の同位体拡散解析
● パルス磁場勾配NMR法による固体電池材料のリチウム拡散係数の精密測定
● パルスレーザー堆積法による薄膜型固体電池の作製
● その場解析技術の開発と固体電池の充放電による構造変化の検出
● 液相法による固体電池材料の合成と接合プロセスの開発
内容
全固体電池を実現するため、固体中の高速リチウム拡散の機構を解明することが求められている。我々はTOF-SIMSやNMRを用いた新技術により、電池材料中のリチウムイオンの拡散係数を計測している。固体電解質に関しては、6Li同位体をイオン交換法により固体中に拡散させ、同位体比のプロファイルから拡散係数を得ることができる。イオン伝導度と比較して、ハーベン比から拡散機構を議論することが可能となる。混合伝導体であるコバルト酸リチウム(LiCoO2)等の正極薄膜を利用した同位体拡散測定も可能である。この手法により、LiCoO2の空孔拡散機構や、アンチサイト欠陥を利用した拡散機構が確かめられた。
まとめ
固体中のリチウム拡散係数を測定する手法を確立し、TOF-SIMSイメージングにより界面でのイオン移動を可視化できることを実証した。第一原理計算と実験との連携により、材料探索にも応用可能である。バルクだけでなく、界面や複合体、粒界、ドメイン、異方性拡散を含む系、さらに動作中の電池材料にも展開することで、材料開発に貢献できると期待される。




