SAMURAI - NIMS Researchers Database

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Research

Keywords

分子線、表面反応、磁性 / molecular beam, surface reaction, surface magnetism

表面科学、スピン偏極原子ビーム、状態選別分子ビーム / surface science, spin-polarized atomic beam, state-selected molecular beam

PublicationsNIMS affiliated publications since 2004.

Research papers
Proceedings

Society memberships

日本物理学会, 応用物理学会, 日本表面真空学会

Awards

  • 物質・材料研究機構 理事長賞研究奨励賞(2013), 日本金属学会奨励賞(2000) ()
Center for Basic Research on Materials
Title

量子状態選別分子ビームによる触媒反応解析

Keywords

触媒材料,表面反応,分子配向,スピン

Overview

触媒材料分野では、反応効率と耐腐食性が高く、貴金属使用量低減に寄与できる材料の開発と反応特性の理解が求められている。反応特性を議論する際、触媒表面と接するガス中には運動エネルギーや振動・回転状態、分子配向などが異なる分子が含まれ、これらの量が分子吸着特性に多大な影響を与える点を考慮する必要がある。運動エネルギーや配向等を制御できる分子ビームとモデル触媒を用いた表面反応解析は、この問題解明と反応機構理解に有益な情報を提供する。NIMSでは、独自開発の分子軸とスピンの向きを制御できるO2分子ビームを用いた触媒酸化反応解析を進めており、分子/表面相互作用の分子レベル理解と触媒材料設計へのフィードバックを目指している。

Novelty and originality

軸・スピン方位を制御可能な量子状態選別酸素分子ビームを初めて開発
O2吸着・触媒酸化反応の支配要因の詳細解析が可能
微細化した配向・スピン制御O2ビームと面内分布試料を用い、反応特性評価の効率化を実現

Details

image

酸素分子(O2)はスピンを持つ直線分子のため、表面へのO2吸着確率は、表面に対するO2分子軸の向き、磁性体表面では磁化に対する分子スピンの向きに依存する。我々は、O2分子の磁気モーメントが電子スピンと回転角運動量に依存する点に着目し、磁場選別法を用いることにより、分子配向とスピンを指定できるO2分子ビームを初めて開発し、これまで主に平坦表面へのO2吸着、触媒酸化反応解析に応用してきた。
最近の研究例として、白金ステップ表面へのO2吸着への応用例を左図に示す。白金表面へのO2吸着は燃料電池や排ガス浄化触媒反応の素過程として応用上重要である。実触媒として使用される白金ナノ粒子表面にはステップ等の非平坦構造が存在し、反応活性点として働く。しかし、非平坦構造の反応特性の研究例は少なく、特にO2分子配向とステップでの吸着特性の相関は不明であった。配向制御O2分子ビームと白金高指数面を用い、O2分子軸方位がステップ列に平行な場合に反応が起こりやすいこと、配向依存吸着特性がステップ原子配列に依存することを示した。最近、状態選別O2ビームを微細化し、ステップ密度や組成等に面内分布がある試料上でビームをを走査させる方式を導入し、効率的に反応計測を行えるようになった。今後、ステップ面や合金触媒への展開を予定している。

Summary

量子状態選別酸素分子ビームは、O2吸着・触媒過程の分子配向・スピン依存性の解析を可能にする。構造、組成を規定した合金等のモデル触媒作製と表面キャラクラリゼーションを実施でき、吸着・触媒酸化反応を効率的に計測できるシステムを開発した。今後、多様なモデル触媒に対する系統的実験により触媒設計に有益な指針が得られると期待される。

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