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Research

Keywords

単結晶、新物質、窒化物

Society memberships

応用物理学会, 日本高圧力学会, 日本金属学会

Research Center for Materials Nanoarchitectonics (MANA)
Title

ベルト型高圧装置による薄膜・バルク新物質創製

Keywords

高圧,相転移,新物質創製,薄膜,半導体

Overview

ベルト型高圧装置を用いることで、大容量のセル内を約8万気圧、2400℃程度まで高温・高圧環境にすることが出来る。セル内で化学反応(特に複分解反応)を進行させることで、多種多様な新物質の創製が可能である。これまでに本手法を用いて、新規窒化物半導体や硬質材料、超伝導物質を合成している。さらに、最近では大容量セルという利点を生かして、薄膜新材料の開発を実施している。

Novelty and originality

従来、高圧による物質創製は、常圧相から高圧相への相転移を用いることが常套手段であった。この場合、新物質を合成するためには常圧相を準備する必要があり、高圧下で得られる物質の組成などに制約を受ける。現在開発している「高圧下での化学反応(特に複分解反応)」を用いることで、相転移させるための常圧相を準備する必要がなくなり、様々な新物質を生み出すことが可能である。

Details

image

左図はベルト型高圧装置の概念図を示している。高圧セルを超硬合金アンビルを用いて加圧し、その後通電することで高温・高圧が実現する。
中図は、高圧セル内で化学反応させる際のセットアップの模式図である。例えば、試薬としてハロゲン化物とアルカリ土類金属窒化物を組み合わせることで、強力な窒化作用が発生し、様々な新規窒化物が合成される。これまでに層状超伝導物質ReN2、新規硬質材料W3N4、新規半導体CaSnN2及びMgSnN2等が新物質として合成されている。これらの材料を将来的にデバイス展開するために薄膜化技術にも取り組んでいる。右図は、高圧下でバルク合成された新規半導体MgSnN2を薄膜に展開した例である。スパッタ装置を用いて、目的組成の前駆体薄膜を基板上に形成した後に、ベルト装置内で基板ごと高温・高圧処理することで、MgSnN2高圧相薄膜の回収に成功している。
薄膜の高温・高圧処理は既存の半導体薄膜の超高温アニール等にも応用することが可能であり、従来n型しか得られなかった半導体材料のp型化技術などへの展開も期待出来る。

Summary

近年、急速に進展しているベルト型高圧装置を用いた新物質創製の更なる発展と共に、薄膜材料の高温・高圧相転移、或いは薄膜の高圧アニール技術による新材料開発を通じて、新たなデバイスの実現に向けて今後も精力的な開発を実施していく。

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