SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

塑性加工,材料力学,形質制御,生物材料学,生物機械工学

計算科学と実験科学を結合した研究手法により,鉄鋼を中心とした金属材料のメゾ組織と機械的特性の相関性を解明し,同時にその特性を飛躍的に向上できる最適なメゾ組織構造を実現する塑性加工プロセスを確立することで,フェールセーフ機能を有した安心・安全な構造材料を開発するを目的にしています.材料創成では,小型試験片を用いた基礎研究で得られた組織と主要なプロセスパラメータの定量的関係を確立し,計算科学による仮想実験により,最適な組織構造を有する大型部材へ基礎研究成果を直接展開できる形質制御技術を確立します.また,機械的特性では,使用環境に即した適材適所の思想に基づき,不均質組織を積極的に活用することで,飛躍的な特性向上に繋げます.本研究を通して,発想から実用化までの時間と労力を飛躍的に短縮し,社会の要請に迅速に応えます.

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      日本機械学会, 日本塑性加工学会, 日本材料学会, 自動車技術会, 日本鉄鋼協会, 自動車技術会, 日本鉄鋼協会

      受賞履歴

      • 1.平成 9年11月17日,平成9年度論文奨励賞,「異材接合体における熱応力の特異性消失に対する新提案」,(社)溶接学会.</br>2.平成10年 4月 3日,平成9年度奨励賞(研究),(社)日本機械学会,「異材接合体における応力場の理論的研究(破壊力学から界面力学へ)」,日本機械学会.<br>3.平成12年 4月13日,平成11年度論文賞,「異材界面端における圧縮残留応力の発生条件」,(社)溶接学会 論文賞.<br>4.平成12年10月 1日,平成12年度奨励賞(工業材料部門),「異材界面端における圧縮残留応力の発生条件」,(社)日本金属学会.<br>5.平成13年 3月28日,平成12年度 俵論文賞,「高強度鋼における水素割れ感受性の評価パラメータ」,(社)日本鉄鋼協会.<br>6.平成14年11月 2日,平成14年度 論文賞,「Weibull応力による高強度鋼の水素割れ感受性評価」,(社)日本金属学会.<br>7.平成14年12月25日,平成14年度 優秀論文講演奨励賞, 「せん断付与圧延による圧延鋼板の特性」,(社)日本塑性加工学会.8.平成16年 5月22日,平成16年度 新進賞,「加工ひずみ制御による高効率な結晶粒微細化技術の探索」,(社)日本塑性加工学会.<br>9.平成20年 5月23日,平成19年度 会田技術奨励賞,「鋼の結晶粒超微細化と棒鋼・板材製造への基礎研究」,(社)日本塑性加工学会.<br>10.平成20年 9月23日,第5回 村上奨励賞,「金属工学の分野で卓越した業績を挙げつつある, 応募時点で満40歳未満の若手研究者」,(社)日本金属学会.<br>11.平成21年 9月15日,第57回 論文賞,「オーバル孔型とスクエア孔型を用いた多方向大ひずみ圧延によって生成する微細粒組織と力学的性質の関係」,(社)日本金属学会.<br>12.平成22年 2月 8日,ドイツ・イノベーション・アワード ゴットフリード・ワグネル賞2009 1等賞,「Development of stronger and tougher steel at low temperatures」,在日ドイツ商工会議所. ()

      外部資金獲得履歴

      • 科研費(基盤A) (2021)
      • 科研費(基盤A) (2014)
      • 科研費(基盤B) (2011)
      • 新学術領域研究(研究領域提案型) (2009)
      • 科研費(基盤B) (2008)
      構造材料研究センター
      タイトル

      生物から学ぶ究極の強靭材料の創出

      キーワード

      構造材料,強靭化,生物,螺旋組織,複合構造,異方性

      概要

      使用部材の軽量化に貢献できる材料の強靭化(強くて壊れにくい特性)は、構造用金属材料の永遠の課題である。現在の材料科学技術をもってすれば、高強度化それ自体は難しいものではない。しかし、材料は強く(硬く)なると脆く(壊れやすく)なる。安全な高強度材料の利用に向け、この二律相反の関係を打破するアイデアと実証が必要である。生物の緻密で複雑な組織・構造を調べ、メカニズムを解明し、次世代のモノづくりプロセスを見据えた究極の強靭材料の創出を目指す。

      新規性・独創性

      結晶組織の形状(粒径・粒形)と結晶方位の制御
      現状を打破した、竹のようにしなやかな鋼の開発
      最強生物ヤシガニの螺旋組織と多孔質組織の複合構造の解明
      多様な生物の強靭外骨格の組織・構造解析と特性評価
      異方性活用の探求

      内容

      image

      既存材料の強靭化を打破する技術として、竹のように力を受け流す鋼(強度800~1800MPa)を開発してきた。更なる高みを目指す中で、生物の持つ複雑な組織・構造に着目した。体重の90倍以上という生物界最強の把持力を持つ「ヤシガニ」のハサミは、螺旋積層組織と多孔質組織で構成された「剛」と「柔」の複合構造であり、軽さと強靭さを兼ね備えていた。人工物には見られない緻密で複雑な組織・構造を探求し、かつ特性との関係を解明することで、未来のモノづくりプロセスに順応した材料の創出が期待できる。究極の強靭さや耐摩耗性が要求される厳しい部位での材料・部材開発に展開することが期待される。

      まとめ

      強靭化技術として、主き裂を直角方向に分岐することができる超微細繊維状結晶粒組織が有効であることを実証した。材料が壊れる過程を考えると、主き裂の分岐を多方向に広げる手法が理想である。生物の螺旋積層組織や多様な組織の複合化は、壊れにくい組織・構造の理想を具現化している可能性を秘める。究極な強靭材料の開発だけでなく、生物から学べるセレンティビティ的な高機能・高特性に展開できると期待される。

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