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ナノアーキテクトニクス材料研究センター
タイトル

半導体トポロジカルフォトニクスの開拓

キーワード

トポロジー,半導体フォトニック結晶, 蜂の巣構造,量子スピンホール効果

概要

近年、トポロジカル特性を有する電磁モードの伝播が欠陥等からの散乱を受けない強靭性を持つことが実証され、革新的フォトニクス機能への応用が期待されている。従来トポロジカル電磁状態を作り出すために、磁場中でファラデー効果を示すジャイロ物質や、らせん構造をもつ導波路配列等が広く用いられてきた。しかし、それらは構造的にナノレベルの加工が難しく、動作周波数が低いので、高周波光デバイスへの応用は困難であった。我々は世界に先駆けて、蜂の巣半導体フォトニック結晶をベースにトポロジカルフォトニクス状態創出のレシピを提案し、マイクロ波から可視光に至るまでトポロジカル電磁状態の実現と新規光機能の開発への道を拓いた。

新規性・独創性

光の量子スピンホール効果の世界に先駆けた理論
シリコンやGaN等、普通の半導体のみを使用
従来のシリコンフォトニクスとの融合性に優れる
ナノ加工による円偏光・光渦等の自由度の創出
トポロジカル共振器面発光レーザー(TCSEL)への応用

内容

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蜂の巣半導体フォトニック結晶にC6v対称な変形を加えることによって、ディラック周波数分散関係にバンドギャップが開き、双極子モードと四重極子モード間のバンド反転に伴って、トポロジカルフォトニクス状態が創出される。その結果、今までの常識ではありえない、欠陥と鋭角経路からの散乱を受けない強靭なトポロジカル電磁伝搬が実現できる。また、該当理論によって示唆される光閉じ込めの新しいメカニズムに基づいて、新規トポロジカル共振器面発光レーザー(TCSEL)が開発された。各種特性の指標がIEEE規格を満たし、優れた指向性を持つ光渦レーザーの発振が可能になる。

まとめ

全光スイッチや非磁性アイソレータ等光集積回路のカギとなるデバイスの開発が今後の課題
トポロジカルフォトニック集積回路技術の構築が期待される
革新的光電融合技術の発展への寄与を目指したい

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