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- Address
- 305-0044 1-1 Namiki Tsukuba Ibaraki JAPAN [Access]
Research
- Keywords
Nanoporous Material, Separation Material, Zeolite, Nanostructural Control, Adsorption
Society memberships
化学工学会, 触媒学会, 日本ゼオライト学会, American Chemical Society, American Institute of Chemical Engineers
Awards
- 化学工学会 研究奨励賞 (2016)
Research Center for Materials Nanoarchitectonics (MANA)
実験化学とデータ科学の融合による設計的ナノ空間材料合成
多孔質材料,ゼオライト,機械学習,ガス吸着分離,資源循環・転換
Overview
低炭素社会・持続可能な社会を実現するエネルギー・環境問題対策の一環としてナノ空間材料の活用が期待される。このナノ空間材料が実用的に利用されるためには、あるニーズに対して骨格構造・化学組成・原子位置等の様々な条件が同時最適化されている必要がある。しかしながら、この材料の合成は、設計的合成が難しく、数多くのトライ・アンド・エラーを行っているのが現状である。この課題を解決するために、本研究では理論科学や機械学習を含むデータ科学を有効活用し、目的ニーズに適したナノ空間材料の設計的合成を行う。このような合成プラットフォームは、新たな社会課題を解決する新規材料発見の加速が期待できる。
Novelty and originality
● 精密な分子設計により、ナノ空間材料の構造をマルチスケールで制御する。
● 機械学習モデルの解析により人間では取り組むことが難しい複雑な物理化学的現象の理解を深めたいと考えている。
● データ科学の適用により新規ナノ空間材料の発見とその先の展開が加速されることが期待される。
● 得られた材料は低炭素社会・持続可能な社会を実現する吸着分離・触媒材料としての利用が期待される。
Details
ナノ空間材料を代表するゼオライトの合成には多くの反応物と合成パラメータが存在する。有機構造規定剤や化学組成はある程度計算で設計できるが、それ以外のパラメータを予測するには、同様の計算手法を適用することが困難あるいは不可能である。そのため,与えられた合成パラメータのデータセットに対して、ゼオライト生成物の結晶相を同定するための複雑なエネルギー地形を、理論計算によって記述することはほとんど不可能である。このような材料合成は熱力学効果と速度論的効果が相互に関係してくる複雑な合成という問題に対して、機械学習手法を用いることで、速度論的に制御された経路で合成されるゼオライトに対して、非常に有効である。
Summary
設計的な材料合成を行うために、計算機化学とデータ科学の活用が有効である。これらの研究によって、設計的ナノ空間材料合成への道が開かれつつある。今後取り組むべき課題としては、同様の手法を適用することで、低炭素社会・持続可能な社会を実現する社会ニーズに適したナノ空間材料の設計的合成を行う。