HOME > Profile > AMEKURA, Hiroshi
- Address
- 305-0003 3-13 Sakura Tsukuba Ibaraki JAPAN [Access]
Research
- Keywords
Ion Implantation/irradiation, nanoparticle, optical properties
1.高速重イオン/クラスターイオンと物質の相互作用
2.イオンビームによるナノ構造の制御/イオントラック
PublicationsNIMS affiliated publications since 2004.
Research papers
- H. Amekura, A. Chettah, K. Narumi, A. Chiba, Y. Hirano, K. Yamada, S. Yamamoto, A. A. Leino, F. Djurabekova, K. Nordlund, N. Ishikawa, N. Okubo, Y. Saitoh. Latent ion tracks were finally observed in diamond. Nature Communications. 15 [1] (2024) 1786 10.1038/s41467-024-45934-4 Open Access
- H. Amekura, M. Toulemonde, K. Narumi, R. Li, A. Chiba, Y. Hirano, K. Yamada, S. Yamamoto, N. Ishikawa, N. Okubo, Y. Saitoh. Ion tracks in silicon formed by much lower energy deposition than the track formation threshold. Scientific Reports. 11 [1] (2021) 185 10.1038/s41598-020-80360-8 Open Access
- H. Amekura, P. Kluth, P. Mota-Santiago, I. Sahlberg, V. Jantunen, A. A. Leino, H. Vazquez, K. Nordlund, F. Djurabekova, N. Okubo, N. Ishikawa. Vaporlike phase of amorphous SiO2 is not a prerequisite for the core/shell ion tracks or ion shaping. Physical Review Materials. 2 [9] (2018) 096001 10.1103/physrevmaterials.2.096001
Books
- Feng Chen, AMEKURA, Hiroshi, Yuechen Jia. Ion Irradiation of Dielectrics for Photonics Applications. Springer Nature Singapore , 2020
- AMEKURA, Hiroshi, KISHIMOTO, Naoki. Fabrication of Oxide Nanoparticles by Ion Implantation and Thermal Oxidation. Springer Lecture Notes in Nanoscale Science and Technology 5 "Toward Functional Nanomaterials". , 2009, 1-75. 10.1007/978-0-387-77717-7-1
- 雨倉 宏. イオン注入の光学的効果 -基礎光物性から光導波路・ナノ粒子まで-. , 2004, 1-335.
Proceedings
- 雨倉 宏. 高速重イオンと材料照射効果. 荷電粒子ビームの工業への応用第132委員会第225回研究会テキスト. (2017) 1-8
- AMEKURA, Hiroshi, Oleg, Plaxine, UMEDA, Naoki, TAKEDA, Yoshihiko, KISHIMOTO, Naoki, Ch. Buchal. A short review and present status of ZnO nanoparticles fabricated by ion implantation combined with thermal oxidation. Materials Research Society Proceedings. (2006) 9999
- 雨倉宏. 国際会議IBMM2008参加報告. 荷電粒子ビームの工業への応用第132委員会第183回研究会資料. (2008) 33-40
Presentations
- AMEKURA, Hiroshi. Shape Elongation of Embedded Metal Nanoparticles induced by Irradiation with Swift Heavy Ions / Cluster Ions. IEEE Nanotechnology Materials and Devices Conference (NMDC 2016). 2016 Invited
- 雨倉 宏. Shape Elongation of Nanoparticles Induced by Swift Heavy Ion Irradiation. E-MRS 2013 Spring Meeting. 2013 Invited
- 雨倉 宏. スウェーデンにおけるイオンビームを用いた材料科学研究に関する現地調査と共同研究可能性の探索. 日瑞基金平成28年度第一回総会. 2016 Invited
Misc
- 雨倉 宏. 高速重イオン照射による球形ナノ粒子の形状楕円化 -ナノ粒子の融点と照射誘起楕円変形の関係-. MATERIALS INTEGRATION(マテリアルインテグレーション). 25 [10] (2012) 24-31
- 雨倉 宏. 高速重イオンと材料照射効果. 荷電粒子ビームの工業への応用第132委員会第225回研究会テキスト. (2017) 1-8
- 雨倉 宏. 高速重イオン照射研究とは「さすらう」ことか⁉. 表面と真空. (2018) 481-482 10.1380/vss.61.481 Open Access
Published patent applications
- 耐放射線性・不純物補償型光検知器 (1995)
- 高エネルギー粒子線用積算線量モニター (1995)
- 透明性光学材料の光透過率低下の制御方法 (2002)
Society memberships
日本物理学会, 日本MRS
Awards
- 貢献賞、日本MRSにおける30年間のイオンビーム材料研究、日本MRS (2019)
- Young Scientist Award, 12th International Conference on Ion Implantation Technology (1998)
Research Center for Energy and Environmental Materials (GREEN)
超高エネルギーイオン照射効果を中エネルギーで実現!
高速重イオン,クラスターイオン,イオンシェーピング,加速器,ナノ粒子
Overview
超高エネルギー100 MeV(1億電子ボルト)級の重イオンビームをナノ粒子やナノピラーなどのナノ構造に照射し、球形から楕円形、立方体から直方体などへの集団的な形状変化を引き起こす技術は、ここ十数年以上にわたる研究により応用への目途がつきつつある。しかし変形には最低でも数十MeV以上のエネルギーが必要であり、この高すぎるエネルギーが本技術の実用化への障壁となっている。本研究では、単原子重イオンの代わりにC60のようなクラスターイオンを用いることにより、加速エネルギー数MeV(つまり2桁小さいエネルギー)でもナノ構造に同様の変形を誘起できることを実証した。「加速エネルギー・ダウンサイジング」とでも呼ぶべき技術の提案である。
Novelty and originality
● 超高エネルギー100 MeV級重イオンビーム照射によるナノ構造変形技術の優位性は知られていたが、このエネルギーを発生できる加速器施設は、国内でも数ヶ所の大型加速器施設に限られており、産業応用への展開は難しかった。
● 本研究ではC60イオンを用いることにより、1 MeV級のエネルギーで、100 MeV級の単原子重イオンと同様なナノ構造の変形を実現した。
● 1 MeV級の加速器は国内だけでも数十ヶ所存在し、産業応用への障壁がだいぶ低くなった。
Details
図左上は100 MeV級の重イオンビーム加速器の例を示す。この例では7階建ての建物が一つの加速器を構成する。100 MeV級ビームの発生にはこのような大型加速器が必要であり、国内でもこのような施設は数ヶ所に限られる。100 MeV級ビームをガラス中に分散させた金属ナノ粒子に照射した結果を左下図に示す。球形だったナノ粒子がビーム方向に伸び、ナノロッド(ナノ棒)に変形する。
図右上に1 MeV級のタンデム加速器の例を示す。このレベルの加速器は国内だけでも数十台以上が存在し、産業応用にも用いられている。本研究でC60イオンを用いれば1 MeV級加速器でもナノ粒子の楕円変形を引き起こすことが可能なこと(右下図)を示したため、産業応用への障壁が大幅に低くなった。
Summary
極めて希少な100 MeV級のイオン加速器が必要だったナノ構造の変形を、C60イオンを用いることにより国内に多数存在する1 MeV級加速器で実現した。ただし、現時点では両者のイオン照射は同等ではなく、C60イオン照射はスパッタリング率が高く、条件によってはナノ構造を破壊する。これを避けるためにも数MeVのC60イオンと固体の相互作用の更なる解明を進めていく。