SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

酸化亜鉛、圧電体、強誘電体

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      応用物理学会, 日本セラミックス協会

      電子・光機能材料研究センター
      タイトル

      酸化物半導体薄膜の雰囲気ガス応答特性の向上

      キーワード

      酸化物半導体薄膜,酸化亜鉛,極性制御,ガスセンサ,ガス選択性

      概要

      酸化物半導体は雰囲気中のガス濃度に対応した電気抵抗変化を生じるため、ガスセンサとして応用されており、現在はより高感度、よりガス選択性の高いセンサの開発が求められている。薄膜型のセンサの場合、膜厚を薄くすると応答性が向上することが期待されるが、膜厚数十nm以上のセンサに関する報告がほとんどであった。我々は、酸化物半導体を10nm程度まで薄膜化することにより、センサ応答が劇的に向上することを明らかにした。また、酸化物半導体結晶表面にどの結晶面が露出するかは、センサのガス選択性に大きく影響する。我々は薄膜最表面に露出する結晶面を制御するプロセスを開発し、同じ材料でもガス選択特性の異なるセンサを作製できることも明らかにした。

      新規性・独創性

      酸化物半導体薄膜の膜厚を10 nm程度まで薄くすることにより、薄膜ガスセンサの応答特性が劇的に向上
      酸化物半導体ZnO薄膜作製プロセスの開発により、表面がZn原子で終端された薄膜と、O原子で終端された薄膜の作り分けが可能
      酸化物半導体薄膜表面の結晶面を制御することで、同じ材料でも異なるガス応答特性を有するセンサの作製が可能

      内容

      image

      ZnOやSnO2などのn型酸化物半導体は、古くからガスセンサとしての応用研究がなされている。比較的高感度、小型化が容易、安価、といった特徴があり、モバイルデバイスへの搭載や、センサネットワークなどへの応用に適している。これら応用のためには、センサのさらなる高感度化、ガス選択特性の改善などが求められている。
      薄膜型半導体ガスセンサの膜厚は、センサ応答値に大きく影響するパラメーターであり、膜厚が薄くなるほどセンサ応答値が向上することが期待される(上左図)。これまでは、膜厚数十nm以上のセンサに関する報告がほとんどであったが、10nm程度まで薄膜化することによりセンサ応答値が劇的に向上することが明らかになった(上右図)。
      また、酸化物半導体結晶表面にどの結晶面が露出するかは、センサのガス選択性に大きく影響する。ZnOのような極性結晶は表面がZn原子で終端された結晶面とO原子で終端された結晶面があるため(下左図)、最表面がどちらの結晶面であるかによりガス選択性が異なることが期待される。我々は、任意の結晶面だけを最表面に露出させる製膜法を開発し、様々な基板上に、最表面に露出する結晶面が異なるZnO薄膜を作製してきた(下右図)。それら薄膜のガスセンサ特性を評価することにより、同じ半導体材料でもガス選択特性の異なるセンサを作製できることが明らかになった。これらの結果は、高感度、高ガス選択性を持つガスセンサの設計指針に役立つことが期待される。

      まとめ

      本研究の成果を用いることにより、小型で高感度、ガス選択性に優れたガスセンサの実現が期待できる。
      小型で高機能なガスセンサは、携帯型の呼気分析デバイスや環境ガスモニタリングネットワークへの応用が期待できる。
      実用化のためには、様々なガスに対して選択性を示すセンサをより多く開発する必要がある。

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