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研究内容

Keywords

マグネシウム・靭性・組織制御

所属学会

日本金属学会, 日本機械学会, 軽金属学会

受賞履歴

  • 若手科学者賞(2016), 村上奨励賞(2015), 日本金属学会論文賞(2015), JIM/TMS Young Leader International Scholar Award (2011), TMS Magnesium Fundamental Research Award (2010), 軽金属学会 奨励賞 (2008), 日本マグネシウム協会 奨励賞 (2008), 日本金属学会 奨励賞 (2007) ()
構造材料研究センター
タイトル

高性能軽金属材料の開発

キーワード

軽金属材料,移動用部材,力学特性,電気化学特性

概要

マグネシウムやアルミニウムは、地球環境問題を解決する金属材料として注目を浴びている。とりわけ、最小密度であるマグネシウムは期待の軽金属材料ではあるが、その結晶構造(六方晶)に起因し、壊れやすい・燃えやすい・錆びやすいなどの欠点を呈し、実用、適応化事例が極めて少ない。本研究では、従来冶金学の改善策として広く使用されている「組織制御」と「合金化」を基盤としながらも、三次元配列の欠陥である「結晶粒界」の活用に着目し、「元素機能」を取り入れることで、従来にない高性能な非鉄軽金属材料の開発に取組んでいる。主たる成果(開発例)として、蛇腹変形能や易二次成形能の付与、高衝撃吸収能化、室温超塑性、長尺+箔化などが挙げられる。

新規性・独創性

結晶粒サイズの微細化(組織制御)と溶質元素添加(合金化)は古来からの特性改善策
ありきたりの結晶粒界と加工熱処理によって生じる溶質元素の粒界偏析を制御因子として活用
結晶粒界制御と微量・ユビキタス元素添加による変形メカニズムおよび特性改質に挑戦
従来冶金学の常識を覆す数多くの非鉄軽金属材料の創製・開発に成功

内容

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結晶粒界に適切な添加元素を配置(偏析)することで、『マグネシウム=壊れやすい+加工しづらい典型な金属材料』という常識を一新した素材開発に努めている。脆さの要因となる変形双晶と転位運動の相互作用を抑制し、汎用アルミニウム合金と同等の塑性変形能および衝撃吸収特性を示すこと[図①②]、高温域で観察される超塑性が室温であっても発現し、水飴のような変形を誘起すること[図④]、汎用アルミニウム合金以上の加工性(張出し性)に優れることや[図③]、素材の長尺+箔肉化も可能であること[図⑤]を特徴とする。ユニークな特性や機能性を付与した多様な素材が創製できることから、安全・信頼性が要求される移動用構造部材への適応は勿論のこと、マグネシウム固有の特性である減衰能や電気化学を活かした電気・電子部材や電池部材への展開にも期待がもてる成果である。

まとめ

結晶粒界vs.元素機能に関する理解の深化と、適材適所配置による更なる特性・機能性の高度化
極限条件を含めた多様な環境下であっても特性・機能性発現の確保と、当該組織様相からなる素材の大型化ならびに素材創製に係る低コスト化

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