SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

耐熱鋼,クリープ,寿命予測

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      日本鉄鋼協会, 日本機械学会, 日本材料学会, 火力原子力発電技術協会, 日本金属学会

      受賞履歴

      • 日本鉄鋼協会 協会功労賞(野呂賞) (2024)
      • 文部科学大臣表彰 科学技術賞(科学技術振興部門) (2021)
      • 日本鉄鋼協会 学術功績賞 (2020)
      • Carl von Bach Commemorative Medal (2017)
      • 日本機械学会 標準事業表彰(国際功績賞) (2015)
      • 世界トップポスター賞, 粉生熱技術振興賞 (2014)
      • 日本電気技術規格功績賞 (2013)
      • 日本鉄鋼協会 学術貢献賞(三島賞) (2012)
      • ナイスステップな研究者 (2011)
      • 日本鉄鋼協会 学術記念賞(西山記念賞), 日本機械学会賞(技術), 市村有功賞 (2006)
      • 7th Liege Conference, Best Poster Certificate (2002)
      • 日本鉄鋼協会 俵論文賞 (2000)
      • 日本鉄鋼協会 俵論文賞 (1996)
      • 手島研究奨励賞 (1988)
      構造材料研究センター
      タイトル

      耐熱鋼の長時間クリープ強度特性評価

      キーワード

      クリープ,耐熱鋼,材質劣化,領域分割解析法,寿命予測,許容応力

      概要

      火力・原子力発電や輸送用機器のエンジン等、高温機器の性能向上には稼働温度の高温化が有効であるが、温度の上昇に伴いクリープ現象が促進され、高温構造部材のクリープ寿命は短くなる。高温機器の性能向上を図るとともに高温構造部材の安全性・信頼性を確保するためには、クリープ強度特性に優れた耐熱材料の開発とともに、長時間クリープ強度特性を高精度で予測評価することが重要である。また、クリープ強度を低下させる要因を解明し、その要因を非破壊的手法を用いて簡便かつ迅速に評価できるようにすることにより、高温構造用部材の信頼性を向上させることができる。

      新規性・独創性

      「領域分割解析法」による長時間クリープ強度特性の高精度予測評価
      高強度フェライト耐熱鋼の許容応力の見直しと寿命評価式の策定
      次世代革新高温炉の設計に必要な最長50万時間までの材料強度基準策定
      クリープ強度に有害な偏析の集合組織に着目した簡便かつ迅速な非破壊評価技術

      内容

      応力‐クリープ破断時間関係に折れ曲がりが生じる場合、設計基準の設定に必要な長時間クリープ強度を過大評価する危険性がある。高強度フェライト耐熱鋼では弾性限に相当する0.2%耐力の1/2で折れ曲がりが生じることを解明し、高応力域と低応力域を個別に解析する「領域分割解析法」を提唱した。本解析法を適用することにより、許容応力の見直しや溶接接手強度低減係数及び既設プラントの寿命評価式の制定等を通して、発電プラント等の高温構造部材の信頼性向上に貢献した。また、「領域分割解析法」を用いて、次世代革新高温炉の設計に必要な最長50万時間までのGrade 91鋼の材料強度基準値を策定し、米国原子力規制委員会により承認された(2023年2月)。

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      クリープ強度特性のバラツキを抑制するため、材質劣化因子の解明に基づいた材料仕様の見直しが行われており、Grade 91鋼については化学成分や熱処理条件等を制限したType 2規格が制定されている。最近、凝固偏析の残存による化学組成の不均一分布がクリープ強度を低下させることを明らかにした。現行の材料規格では、偏析が有害であることの記載はあるものの、偏析の程度を定量的に制限する要求事項はない。そこで、焼戻しマルテンサイト組織に及ぼす偏析の影響に着目し、集合組織により偏析の程度を簡便かつ迅速に非破壊で評価できる手法を提案した。

      まとめ

      「領域分割解析法」を用いて計18鋼種の高強度フェライト耐熱鋼の許容引張応力が引き下げられ、既設の火力発電設備に対する寿命評価式を策定するとともに、原子力用高温機器の最長50万時間までの材料強度基準値がASME規格に制定された。オーステナイト耐熱鋼に適用可能な「領域分割解析法」を開発するとともに、偏析の程度を制限する要求事項を開発し、材料規格の高度化に貢献したい。

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