SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

表面科学、物理化学、生物物理

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      応用物理学会, 日本化学会

      高分子・バイオ材料研究センター
      タイトル

      リン脂質膜の物理化学的性質

      キーワード

      ベシクル,表面,界面,蛍光顕微鏡,界面張力

      概要

      リン脂質膜は生体膜の基本構造である。リン脂質膜は柔らかく、様々な形を形成し、また、脂質組成に応じて相分離を引き起こす。これらの性質が生体内で重要な役割を果たしている。従って、生体膜の機能を解明するためには、リン脂質膜の変形や相分離について、その基本的性質を理解しなければならない。そこで、最小構成要素からなるモデルリン脂質膜を用いて、物理化学的性質を研究している。ベシクルが固液界面および油水界面に接触すると、膜が変形し形態変化を引き起こす。これまでに、界面で起こる様々な形態変化を明らかにした。また、油水界面での単分子膜の計測手法を開発した。これらの知見をもとに、脂質膜に関する新しい現象を発見する。

      新規性・独創性

      リン脂質二重膜に関する新規現象の探索
      リン脂質膜の形態変化の解明
      モデル脂質膜を用いた生体膜の理解
      油水界面リン脂質単分子膜の性質の解明
      界面測定法の開発

      内容

      image

      蛍光顕微鏡を用いて、ベシクルと界面との相互作用を調べた。液体秩序相と液体無秩序相が共存するベシクルをガラス表面に吸着させると、球状構造が開いて平らな脂質二重膜が形成された。吸着の途中で、二相のドメインが再配置を引き起こし、最終的に得られる平面膜は特徴的なドメイン配置を有していた。また、一様な膜からなるベシクルが油水界面や疎水性ガラス表面に吸着すると、約3~100 msの間に膜が開き単分子膜を形成した。さらに界面張力計を用いて、油水界面の定量的測定を試みた。単分子膜の分子密度が増加すると、膜から油が徐々に取り除かれ、界面張力が減少した。気液界面の実験と組み合わせ、脂質一分子面積と界面張力とを関係づけることができた。

      まとめ

      液体秩序相と液体無秩序相が共存するベシクルと固液界面との相互作用を明らかにした。また、疎水性表面や油水界面とベシクルとの相互作用を明らかにした。さらに、油水界面を覆うリン脂質単分子膜について、脂質一分子占有面積と界面張力との相関を決定する手法を開発した。これらの結果をもとに、生体膜の基本的性質に関する研究を進める。

      この機能は所内限定です。
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