SAMURAI - NIMS Researchers Database

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外部併任先

  • 名古屋工業大学 連携大学院 教授

研究内容

Keywords

コロイド結晶、オパール、構造色、フォトニック結晶、ソフトリソグラフィ、微粒子アセンブル、マイクロパターニング

ナノ〜マイクロスケールの3次元周期構造あるいは階層構造がハイブリッド化された材料設計によりスマート材料と呼べるような高次機能を有する新材料を開発する。コロイド粒子を自己集積したコロイド結晶とそれらの隙間を充填する構成物質(をハイブリット化することで光を媒介した様々な環境応答性が発現する。また、新材料の提案のみに終わらせることなく、システム化とプロセス開発の橋渡し研究によって産業界への技術移転の推進を図る。一例として、歪みを可視化する新材料シートについてはスケールアップ可能で工業的な量産化に繋がるような製造技術の基礎・基盤となるプロセス開発を進める。また、光ファイバ技術や画像解析技術を活用することでリモートセンシングや常時モニタリングが可能となる新材料のシステム化を具現化する。

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研究グループ(2016-2022)紹介

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

書籍
会議録
口頭発表

所属学会

粉体工学会, 高分子学会, 日本セラミックス協会

受賞履歴

  • ホソカワ粉体工学財団奨励賞 (2009)

外部資金獲得履歴

  • ホソカワ粉体工学振興財団 (2018)
  • 池谷科学技術振興財団 (2008)
  • 天田金属加工機械振興財団 (2006)
  • ホソカワ粉体工学振興財団 (2004)
電子・光機能材料研究センター
タイトル

高品質コロイド結晶薄膜塗工とスマート構造色機能材料

キーワード

懸濁粒子,自己集積,コロイド結晶,フォトニック結晶,構造色,ブラッグ回折,センサー材料,塗工プロセス

概要

粒子径の揃ったコロイド粒子が規則配列したコロイド結晶は最密型及び非最密型の2つに分類され、NIMSでは両タイプのコロイド結晶を対象としプロセス技術や構造色材料に関する先駆的な研究を行ってきた。例えば、フォトニックラバーは変形によって構造色が可逆的に変色する弾性材料でゴムシート上にコーティングした新材料である。一方、インフラ構造物のひび割れや塑性変形を色変化として視認できる歪み可視化シートを開発した。急増している高齢化インフラ構造物の異常を目視やスマホで簡単・簡便に検査する新技術としての応用が期待される。その基盤となる均質・均一で結晶性の高いコロイド結晶薄膜を1000cm2に成膜するプロセス技術を確立している。

新規性・独創性

コロイドフォトニック結晶の成膜プロセス(面心立方格子(111)面配向、積層数制御)
A3スケールサイズまで大型化及び湾曲面への塗工成膜(ラボレベル対応)
応力や歪みを構造色で可視化する新材料フィルム(変形による構造色変化を視認)
実用化機能付与:歪み可視化シート(耐候性)、フォトニックラバー(耐久性)
コロイド粒子懸濁液の製造(粒子濃度:10wt%ー20ℓ、任意粒径:150〜450nm)

内容

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【左:オイル被覆法によるコロイド結晶薄膜塗工】 
A:高品質コロイド結晶薄膜の縦型成膜装置。内挿写真は界面付近の拡大部。乳白色コロイド懸濁液から溶媒蒸発による濃縮に伴うアルダー相転移により非最密型のコロイド結晶が形成。赤色から緑色へ構造色の変化(粒子間隔の縮小)、最終的に最密充填型のコロイド結晶薄膜を形成。基板は固定され、ステージに搭載された懸濁液タンクが下方に移動によりコロイド結晶薄膜を基板上に形成する。ステージの駆動制御は一定速度選択と結晶化を反射分光ファイバーで計測し、ステージ駆動にフィードバックする2種類の制御方式。
B:A3サイズにスケールアップした成膜装置。さらに、ステージ駆動を使用しないポンプ吸引方式の塗工装置も開発済み。

【コロイド結晶薄膜による構造色材料】
A:同軸照射撮影、熱可塑性(PVC)シートにポリスチレンコロイド粒子とシリコーンエラストマーで構成されるコロイド結晶薄膜。シートの加熱変形で構造色を赤色から青色まで選択可能、構造色は可視光領域のブラッグ回折ピーク、波長位置のシフトで構造色も変化。
B:フォトニックラバー、弾性変形で構造色が可逆的に変化する。繰り返し変形に対する耐久性試験を実施、25万回の繰り返し伸長後でもフォトニックラバーとしての機能することを確認。
C:歪み可視化シート、コンクリート橋梁での現場施工、曲げ試験で生じたひび割れを緑色に変色、屋外に暴露して供用する歪み可視化シートでは表面保護層を形成(暴露試験で約5年の耐候性を確認)。

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まとめ

A3スケールサイズの高品質コロイド結晶薄膜、フォトニックラバー、歪み可視化シートなどの試験片供与を行っている。また、成膜プロセスの技術移転も可能。構造色だけでなく、近赤外領域を含むフォトニックバンドギャップによる光学フィルターなどへの応用も期待できる。現在、工学応用として量産化の基盤となる、ロール・ツゥ・ロールの連続成膜プロセスの基礎技術の確立を目指している。

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