SAMURAI - NIMS Researchers Database

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研究内容

Keywords

自己組織化、金属錯体、異方性

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      高分子学会, 日本化学会

      高分子・バイオ材料研究センター
      タイトル

      分子シークエンスに焦点を当てた物質科学の開拓

      キーワード

      分子シークエンス,生体関連物質,超分子集合体,ゲル,ポリマー

      概要

      「多様なパーツを適切な順番に配置して全体を組み上げる」操作を分子レベルで人為的に行うプロセスは今日においても多大な労力を伴うため、該当する構造的特徴を有する物質群の科学は未開拓の部分が大きい。一方、自然界で広く見られる生体関連物質は制御された分子シークエンスを有する点で共通の構造的特徴を有しており、今後の物質創成指針として極めて示唆に富む。以上の背景を念頭に、分子シークエンスの制御に焦点を当てた物質科学の開拓に取り組む。現在は生体関連物質、超分子集合体、ゲル、ポリマーなどが対象となっている。

      新規性・独創性

      最近の研究を通じて以下のようにこれまでの常識を覆す現象を見出し、キラル科学の新しい分野を生み出しつつある。
      「ラセミ体混合物からどちらか一方のエナンチオマーが濃縮されたゲルが自発的に得られる」という現象を発見。
      これまでの常識を覆す上記現象が、実は一定の普遍性を持つことを実証。
      「自然界におけるキラル対称性の破れ」の謎を説明する新たなシナリオの提示。
      結晶化による光学分割が不可能な大部分のキラル化合物のエナンチオマー入手法に発展する可能性。

      内容

      image

      分子スケールでのシークエンスの制御を通じて物質科学における未知の現象を探索する。一例として、キラル分子の両エナンチオマーの等量混合物からどちらか一方のエナンチオマーが過剰となったゲルが自発的に得られる、というこれまでの常識を覆す現象を見出した。さらに、本現象が市販の単純な構造の分子においても確認され、実は一定の普遍性を持つことも明らかとなった。本発見は自然界において何故一方のエナンチオマーのみが利用されるのか、という自然科学上に残された大きな謎の一つを説明する新たなシナリオの提示であるとともに、結晶化による光学分割に難が有る大部分のキラル化合物のエナンチオマー入手法としての可能性を有する。

      まとめ

      「実用化」に血道を上げるよりも基礎科学的に重要性の高い革新を追求する方が長い目で見ればより大きな波及効果をもたらすことに繋がるであろう。

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