SAMURAI - NIMS Researchers Database

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外部併任先

研究内容

Keywords

高分子化学 機能物質化学

機能性分子の自己組織化を精密に制御することで、様々な形状、モルフォロジーの有機材料の創製を行っています。 最近のトピックとしては、不揮発性、低粘性、発光性の常温液状材料の開発に成功しました。

researchPicture

有機分子のソフトな利点を活かした機能性有機材料の創製を目指しています。

特に光機能や半導体機能を司るパイ共役系分子を材料の基礎成分とし、その分子間相互作用そして自己組織化を、導入するアルキル鎖(直鎖や分岐鎖)によって巧みに制御する戦略を用いることで、ナノサイズからバルクスケールまでを網羅し、様々なモルフォロジー(形態、次元性)の有機材料を創出するに至った。

これまでに、常温液状の発光性液体材料、太陽電池に応用可能な光導電性材料、優れた環境耐性を示す超撥水性薄膜などの創製に成功している。

所属学会

高分子学会, 日本化学会, 日本MRS, American Chemical Society

受賞履歴

  • 文部科学大臣表彰若手科学者賞(2012), 物質・材料研究機構理事長賞研究奨励賞(2010), 日本化学会進歩賞(2010), Award for Encouragement of Research of Materials Science, The IUMRS International Conference in Asia(2008), コロイドおよび界面化学部会第7回科学奨励賞(2008), The Best Poster Award, E-MRS 2008 Spring Meeting(2008), 高分子研究奨励賞(2008), 第60回コロイドおよび界面化学討論会ポスター賞(2007), 日本化学会第87春季年会若い世代の特別講演賞(2007), 第59回コロイドおよび界面化学討論会注目論文(2006), 第52回高分子研究発表会(神戸) ヤングサイエンティスト講演賞(2006), 物質・材料研究機構物質研究所研究奨励賞(2006), 第16回日本MRSシンポジウム奨励賞(2005), 第58回コロイドおよび界面化学討論会ポスター賞(2005), 日本学術振興会特別研究員PD(2001), 日本学術振興会特別研究員DC1(1998),第6回高分子・繊維若手研究者賞, 第35回化学関連支部合同九州大会高分子・繊維化学分野(1998) ()
ナノアーキテクトニクス材料研究センター
タイトル

新奇機能性分子液体・液体エレクトレットの創成

キーワード

機能性分子液体,液体エレクトレット,自由変形性振動発電素子

概要

ヘルスケアやロボット分野において、柔軟且つ高性能な光・電子機能材料を利用するソフトエレクトロニクスの発展が求められている。本研究では、自由変形性に富むπ共役「液体」分子・高分子の創成に着目した。π共役部位を嵩高く・柔軟な分岐アルキル鎖で被覆することで、π共役分子の固有の光・電子機能をバルク液体状態でそのまま活用できる液体材料を創成した。また、機能性液体材料を直接塗る・挟む・染み込ませるなどの簡便な方法で、自由変形性の光電子素子の構築が可能となった。特に、静電荷を保持した液体エレクトレットを基材とする伸縮・自由変形性の振動発電・センサ素子の開発に世界で初めて成功した。

新規性・独創性

π共役分子を常温液体化できるアルキル-πエンジニアリング技術
π共役高分子の常温液体・エラストマー化
π共役分子固有の光・電子機能をバルク液体においてもそのまま活用
液体エレクトレットの創成(世界初)
自由変形・伸縮自在な振動発電素子の開発

内容

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電子活性なπ共役分子部位を柔軟且つ嵩高い分岐アルキル鎖で被覆した分子(または共役ポリマー)は、常温で粘調な液体(またはエラストマー)となる。この液体(エラストマー)をコロナ帯電処理することで、絶縁性アルキル鎖で保護されたπ共役部位周辺に静電荷が安定に保持された液体エレクトレットを創成できる。液体エレクトレットを伸縮性多孔支持膜に含浸させ、柔軟性ポリウレタン基材の電極で挟むことで、自由変形・伸縮性に富む振動発電・センサ素子を作製できる。本素子は、身体運動で生じる低周波数領域の振動においても発電可能であることから、IoT技術と組み合わせることで、遠隔医療・ヘルスケア応用等が期待できる。

まとめ

環境発電、音響技術等への応用を見据えた液体エレクトレットの性能向上;アルキル-π共役分子液体の一分子内に保持できる静電荷量の向上と安定化
ウェアラブル振動発電素子・センサとしての発電量または感度の向上ならびに素子構造の工夫;ヘルスケア機器、ロボット技術等への応用
アルキル-π共役分子液体の流動性を最大限に活かした流体(液体)素子の開発と応用探索

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