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研究内容

Keywords

物性II 無機化学 無機材料・物性

先進的な物質合成、精密な構造解析、および特性評価の研究を通じて、固体酸化物などの結晶構造、化学組成、および結晶形態を多様に変化させ、超伝導性、電子物性、磁性、およびハーフメタル性などの機能性を向上させることを目的としています。これらの学理を探求し、革新的な新しい材料を発見することを目指しています。

所属学会

日本MRS, 日本物理学会

ナノアーキテクトニクス材料研究センター
タイトル

創造的な機能性物質の合成と量子機能の展開

キーワード

新規酸化物材料,ペロブスカイト構造,量子磁性,輸送特性,高圧合成

概要

ハイパーマテリアル、トポロジカル磁性体、異常ホール効果、量子磁性、交換バイアス効果、磁気抵抗などに関する機能性物質や候補物質を研究している。特に、新物質の発見とその特性評価に焦点を当て、高温高圧合成法などさまざまな合成方法を使用して新物質を合成し、詳細な構造解析と基礎的な物性評価を行っている。また、共同研究者と協力して中性子散乱、共鳴X線散乱、第一原理計算などの手法を活用している。これらの研究を通じて、新たな機能性材料の開発の可能性を追求している。

新規性・独創性

新規性と独創性を重視した物質探索
高温高圧下での結晶育成
固溶領域の拡大と置換元素の多様化
熱力学的に準安定な化学相の合成
独自に実施する精密構造解析と基礎物性評価

内容

交換バイアス効果は、磁気記録デバイスの性能向上など、現代の半導体技術の進歩に重要な役割を果たしている。しかし、従来の多層膜を基本とする交換バイアス材料は、高品質な生産に課題がある。そのため、交換バイアス効果を発揮するバルク材料系の開発が求められている。我々は、わずかな冷却磁場で大きな交換バイアス効果を示すバルク磁性材料の合成に成功し(図1)、交換バイアス効果がスピン軌道相互作用によって増強されていることを示唆した。さらに、既存のバルク材料とは本質的に異なる発現機構が関与している可能性があるため、その機構を探求し、新機構に基づく有望な交換バイアス材料の開発を目指している。

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高温高圧下で成長させた機能性結晶の写真例を図2に示す。一般的に、酸化物の場合、高圧下で成長させた機能性結晶の例は少なく、通常は多結晶試料の合成に限定されることがほとんどだ。しかし、我々は高温高圧下での詳細な結晶成長条件を検討し、試行錯誤を続けることで、小さなサイズスケールではあるが、結晶成長を実現することができた。結晶が得られると、基礎物性の評価が進み、これまで未解明だった機能性の発現機構に関する新たな知見が得られるだけでなく、新材料の開発にも有用な進展が期待できる。

まとめ

高圧合成による新物質探索の研究は、高温超伝導体から強相関電子系、マルチフェロイック物質、準結晶、さらには量子物質へと広がっている。また、研究対象も酸化物だけでなく、炭化物、窒化物、砒素、混合アニオン化合物など多様化している。これらの研究は、新しい特徴を持つ化学相の合成というアプローチで行われており、今後も社会的要請の高い機能性材料の開発に有用な役割を果たすことが期待できる。

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