- Address
- 305-0044 茨城県つくば市並木1-1 [アクセス]
外部併任先
- 北海道大学 総合化学院 物質化学コース 客員准教授 (NIMS連携大学院)
研究内容
- Keywords
アニオンの複合アニオン化による新物質探索と機能開拓
出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。
所属学会
日本セラミックス協会, 日本物理学会
外部資金獲得履歴
- 池谷科学技術振興財団 (2025)
- 大倉和親記念財団 (2025)
- 住友財団 (2023)
- 村田学術振興財団 (2022)
ナノアーキテクトニクス材料研究センター
アニオンの複合化による新機能材料の探索
複合アニオン,イオン伝導体、結晶育成、高圧合成、第二高調波発生,低次元磁性,
概要
既存の科学基盤技術に用いられている材料の多くは酸化物、窒化物等の単一のアニオンからなる物質群である。近年、物理的・化学的性質が大きく異なる複数のアニオンを複合化することにより、既存材料の機能性を向上させる、または全く新しい機能を発現させる研究が盛んに行われている。本研究では高圧合成、低温合成、フラックス法等用いて酸カルコゲナイドおよび酸ハロゲン化物を中心とした新物質合成を行い、特にイオン伝導性、非線形光学、低次元磁性など機能・物性の評価を行っている。
新規性・独創性
● 酸素・ハロゲンの複合化により遷移金属の配位構造・配位数を変化させ、磁気基底状態を制御することに成功
● Sr2CoO3Fにおいて、5配位から6配位への構造変化を伴う無機固体物質で初めての圧力誘起スピン転移現象を発見
● カルコゲン元素を含有する紫外非線形光学材料La₃Ga₃Ge₂S₃O₁₀とSrZn₂S₂Oを発見
内容
(i) 複合アニオン化合物は一般的に単一アニオン化合物より不安定であり、また合成できたとしても相同定が困難であることが多い。本研究では複合アニオン化合物の合成に有効な高圧合成法、低温固相反応法、さらには単結晶が得られるフラックス法をも駆使して新規物質の開拓に取り組んでいる。(ii) Sr2NiO3X (X = Cl, F)は二次元配列したNiO2面をもつ低次元磁性体である。低スピン状態のNi3+が5つの酸素と正方四角推配位をとる。頂点サイトを占有するハロゲン原子の秩序状態がClとFの場合とで異なり、磁気基底状態にも影響を与える。(iii) カルコゲナイド化合物は赤外用途の非線形光学材料として応用されている。本研究ではカルコゲン元素の大きな分極率を紫外用途に適用するために、酸素とカルコゲンの複合アニオン化により、短い吸収端波長と大きな非線形光学係数を有する新規酸カルコゲナイド化合物の探索を進めている。
まとめ
複合アニオン化合物の研究は単一アニオン化合物と比較して歴史が短く、物質例も極端に少ない。それにもかかわらずSiALON蛍光体のように突出した機能材料が生まれていることからわかるように、複合アニオン化合物には従来の化合物を超える機能特性が期待される。本研究では実用材料を視野に入れた新しいモデル化合物の開拓を進めていく。


