SAMURAI - NIMS Researchers Database

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外部併任先

  • 国立研究開発法人物質・材料研究機構

研究内容

Keywords

機能材料・デバイス 無機工業材料 無機材料・物性

出版物2004年以降のNIMS所属における研究成果や出版物を表示しています。

口頭発表
    その他の文献

      所属学会

      日本金属学会, 応用物理学会

      構造材料研究センター
      タイトル

      プラズマイオンプレーティングによるサイアロン薄膜の作製

      キーワード

      セラミックス基複合材料,耐熱性向上,耐酸化性向上,サイアロン薄膜,気相合成法,コーティング材料

      概要

      セラミックス基複合材料(CMC)は繊維とマトリックスの界面で剥離が生じることによりマトリックスき裂を偏向させ瞬時破壊を回避する。界面の剥離挙動を制御するため繊維表面には気相合成法によるコーティングが施されているが、実用化が始まったSiC繊維強化SiCに用いられるBNコーティングは耐酸化性不足で繊維の耐熱性を100%引き出すことはできない。本研究では、耐熱性、耐酸化性を向上させたコーティング材料としてサイアロンに着目する。様々な組成のサイアロンを気相合成するプロセス指針を熱力学的な視点から構築するとともに、SiC繊維コーティングとして最適なサイアロン組成を高温機械特性評価およびSiCとの界面特性評価を明らかにすることを目的とする。

      新規性・独創性

      プラズマイオンプレーティングという気相蒸着法によるAl-Si合金からのサイアロン薄膜の直接合成
      サイアロン薄膜作製のための酸素・窒素混合ガスの圧力、混合比の最適条件探索
      酸素・窒素ガスをイオン化するためのアルゴンガスに印加する高周波電源のプラズマ条件
      サイアロン薄膜の高温域で強度などの機械的特性と耐熱性の評価

      内容

      image

       本研究では、プラズマイオンプレーティングという気相蒸着法によりAl-Si合金からのサイアロン薄膜の直接合成を試みて、その機械的特性、特に高温域での強度、耐熱性を明らかにすることを目的とする。本研究で用いる磁界励起型プラズマイオンプレーティング法では、真空容器内で電子ビームにより蒸発させたAl-Si蒸発粒子がアルゴンプラズマガス中を通過することでプラスの電荷を帯び、同じく雰囲気ガスである酸素・窒素混合ガスもプラズマでイオン化し、蒸発させたAl-Si蒸発粒子と直接反応させることで、加熱した各種基板上にサイアロン薄膜を作製するため、密着性の強い膜を作ることが出来る特徴がある。この際、問題となるのが、酸素・窒素ガスをイオン化するためのアルゴンガスに印加する高周波電源のプラズマ条件であり、また酸素・窒素混合ガスの圧力、混合比であると考えられ、その最適条件を探ることが重要である。磁界励起型プラズマイオンプレーティング装置を用いて、これまでにSi3N4製のベアリングボールへのTiN薄膜のコーティングやAl2O3、Si3N4基板へのBN薄膜の作製などについて研究を行ってきており、その実績は豊富である。また、提案者が所属する研究グループでは、セラミックス基バルク材料の高温での耐熱性、機械的特性ついても長く研究を行ってきており、その経験と手法は、本研究で提案しているプラズマイオンプレーティングによるサイアロン薄膜の高温での耐熱性、機械的特性の評価に大いに役立つものであり、研究の進展が期待される。

      まとめ

      本研究で、酸素-窒素混合ガス中、Al-Si合金からの薄膜にAl2O3、Si3N4やSiO2などの結晶回折ピークが見られた。
      サイアロン結晶からの回折は観察されなかったが、さらに1000℃以上の熱処理により、サイアロン結晶薄膜への変化が期待される。
      今後、サイアロン薄膜の高温域での機械的強度、耐熱性についても評価を行う予定である。

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